桜魔皇国19日目【午後】2 ページ20
「ところで姉君、あの三人いつくらい着きますかね」
「ここから結構遠いからね〜、夕方には着いてると思うけど」
「なら様子も見ながら、私の話を聞いてくれますか?」
「うん、良いよ」
「甲斐田晴の運命あるじゃないですか、魔である説が出てますよね」
「やっぱ把握してるよね〜…それがどうしたの?」
「私個人的に、魔『である』のでは無く、魔『になる』だと思っているんです」
「未来の話って事?」
「はい、私はそれほど先まで運命は見ないようにしているし、今見れない状態なのでわかりませんが…未来の話だと思うんです」
「どうしてそう思うの?」
「かぐや姫曰く、甲斐田晴だけ言及が無いんですよね?」
「まぁそうらしいね、ずーっと隠してるのかなって」
「言及が無い理由は単純に、まだ魔では無いし魔になる事を知らないからだと思うんです」
「そーかなー?」
「魎ですら魔に取り憑かれるとあぁなってるんです、普通の人間である甲斐田晴が魔だとしたら、もっと禍々しいと思うんです」
「あぁ…言われてみれば。でも変化の術とかかも?」
「魔がそんな術使えますかね?それに寝る時ですら1度も休むこと無く魔の気配を隠して祓魔師と過ごすのは、恐らく魎でも持って1週間くらいだと思うんです」
「うん…そうだよね…でもお姫様はどうして過去だって」
「だから難しいと言ったんでしょう。言及がほぼ全く無いのですから、どちらにせよ根拠がありません。なら過去からと言った方が未来でもという意味合いで、保険をかけているんでしょう」
「黒闇天、頭良いね」
「勘ですよ」
「…じゃあさ、景くんは晴くんのこと祓魔しちゃうのかな」
「どうでしょうね、私は無理だと思いますけど」
「根拠は?」
「長尾景は本当にあの二人が大好きに見えます。恐らく斬ろうとはするでしょうが、手前まで来たら刀を振り下ろせないと思います。そのまま甲斐田晴にやられる可能性もあるでしょう」
「あまり信じたく無いけど、でもそれだと藤士郎くんが1人きりになる未来が出来上がるね」
「そうですね、長尾景は人として死に、甲斐田晴は魔として生死を彷徨い、弦月藤士郎は神として生きるでしょうね」
「…なんか、一番しっくりきたな」
「役が綺麗に収まっていて、まさに主役の運命という印象がありますね」
「良かったのかな…本当に幸せになれるのかな…」
「さぁ、どうでしょうね。でも間違いなくこれから数年は幸せですよ」
「信じていい?それ」
「勿論、嘘つかないので」
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作者名:神里 | 作成日時:2022年3月23日 8時