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桜魔皇国19日目【午後】 ページ19

社の中で、5人は作戦を考えていた。
確実に一度でも攻撃が当たるようにと、模索していた。
そんな時、吉祥天が突然北東の方を勢いよく向いた。
「姉君?」
「…来てる、魎が…壁のすぐそこに…!」
吉祥天は物凄い勢いで外に飛び出た。

吉祥天は屋根に飛び乗り、派遣していた鳩に意識を集中した。
鳩の視界には、張っていた壁を刀で何度も斬ろうとする魎がいた。
その姿に、違和感を覚えた。
「…月の術を使ってない?」
こんな一時的な壁、魎の月の術があれば一発で割れる。

魎は術を使うことなく、ただ刀で壁を攻撃していた。
取り憑いている魔は、術を使うことが出来ないのだろうか。
少し様子を見ているとある事に気付いた。
魔は恐らく、術を使おうとはしている。
先程からその動作が垣間見える。

しかしその度に、何かに邪魔をされているように見えた。
中で魎が頑張っているのかもしれない。
動きが段々と怒り任せになってきている。
今がチャンスかもしれないと吉祥天は思った。

「姉君!」
と下から黒闇天が呼ぶ。
景と晴と藤士郎もいた。
吉祥天はそれを見て3人に叫んだ。
「魎が今頑張ってる!魔の動きも怒り任せになってる!術を魎にキャンセルされて怒ってる…今がチャンスかもしれない!」

「吉祥天!場所は?」
と景が聞いた。
「北東!この子が案内してくれるから着いてって!」
そう言って、また別の鳩が3人の前に現れる。
鳩は神社を出て、北東へと飛んで行った。
3人はその後を追いかけた。

神社には、黒闇天と吉祥天だけが残った。
「姉君、壁の方は?」
「まだ壊れない、刀で殴ってるだけだから」
「刀で…少しくらいなら攻撃を与えられそうですね」
そう言って黒闇天は、北東に手を伸ばした。
吉祥天は鳩の視界を黒闇天にも渡し、共に景色を共有する。

黒闇天はタイミングを見計らい、壁に術をかけた。
刀がもう一度壁に叩きつけられた時、刀にだけ重力をかけた。
突然重くなった刀に耐えきれず、魔に憑かれた魎は刀を落とした。
刀を拾おうとするも、あまりの重さに刀を拾えなかった。
更に怒りを露わにして、壁を今度は素手で殴り始めた。

「黒闇天、何今の?」
「刀にだけ重りをつけただけです。そうしたら、攻撃出来ないでしょう?あの3人に」
「…確かに、それ天才だよ。ねぇ、あの腰の鞘にもお願いできない?」
「壁経由で術使っているので、鞘が壁に触れないと無理です」
「おけ、でも十分。ありがとう」
「いえいえ」

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作者名:神里 | 作成日時:2022年3月23日 8時

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