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桜魔皇国18日目【夜】2 ページ16

3人は社の中にドスンという音と共に戻ってきた。
「いってぇ…戻って来れたみたいだな」
「3人ともおかえりなさい、それ使って戻って来たって事は…」
「ぜーんぜんダメだったよ…全く歯が立たない」
「今の魎さんに誰も勝てないと思うんだけど…」
「…すまないな3人とも。私たちはここから出ることが出来ないから…」

「どーしよー…僕あの魔特定出来ないか調べてみようかな」
「あぁ、それありだな。俺もあいつに効きそうな術調べとく」
「弦月藤士郎はここに残れ、色々渡したいものがあるんでね」
「分かりました」
「はい、じゃまた準備出来次第ここに来てね。一旦解散!」

吉祥天の合図と共に、晴と景は神社を出た。
黒闇天と藤士郎は新しい御札などを用意し始める。
吉祥天は外に出て、屋根の上から見張りをした。
辺りに鳩を大量に飛ばして、魎を警戒した。

「当面の間はあの子たちに頑張って貰うしかないけど…私もできることはしなくちゃ!」
吉祥天は術を唱えて、皇都全体に壁を作って。
基本は透明なので、誰も壁があるなんて思わない。
吉祥天は壁と鳩の両方に集中して、周りの警戒をした。

正直、こうなる事は吉祥天はわかっていた。
でもこれは、避けられない運命だった。
かぐや姫曰く、どう抗っても起きる出来事だったようだ。
なら最速で起こして、確実に皆が幸せになる結末になるようにした方が絶対に良い。

だからあの時、吉祥天は黒闇天と魎を止めなかった。
それに吉祥天は、魎を信じていた。
飲まれてもなお、中で抗っていると。
魎なら大丈夫、吉祥天はそう思うしか無かった。

逼迫した状況は続き、5人は寝ることは無かった。
そしてそのまま、朝日が昇った。

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作者名:神里 | 作成日時:2022年3月23日 8時

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