今日:6 hit、昨日:9 hit、合計:110,456 hit
小｜中｜大
▼ 理由 ページ22
_
「ねぇ、なんでAちゃんは部活入ってないの？」
次の日、放課後になって内村くんに
部活を紹介する為、昇降口に向かってる途中
突然内村くんにそんなことを聞かれた。
「ふかだはサッカー部で、あじはダンス部。桃瀬はテニス部なんでしょ？Aちゃんだけ入ってないの、なんでかなぁって」
「...まだ出会って3日しか経ってないのになぁ」
「え？」
私が部活に入ってない本当の理由は、
誰にも話してない。
竜ちゃんにも、あじくんにも胡桃にも、
お兄ちゃんにだって言ったことがなかった。
聞かれる度に"上下関係が面倒だから"って
そんなこと思ったこと一度もないのに、
ずっとそう言い続けてた。
「...内村くんなら、話してもいっか」
なのに、なぜか内村くんには
本当の理由を言ってもいいかなって。
まだ出会って3日しか経ってないのにおかしいよね。
家族のお兄ちゃんにも、昔からずっと一緒にいる
幼馴染みの竜ちゃんにも、親友の胡桃に、
それから1年の時から仲良くしてくれてる
あじくんにも、ずっと隠してたのに。
「でも、聞いたら内村くん困っちゃうかも」
「...いいよ、話して」
「...」
「おれ、もっとAちゃんのこと知りたい」
そう言った内村くんは、
いつもとは違う真剣な表情をしていて。
私は内村くんの腕を掴んで、
校庭とは真逆の方向に歩き始めた。
_
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 495人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：miu*｡ﾟ | 作成日時：2021年2月18日 18時
