▽ 新学期 ページ1
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「えーっと...ひらつか...ひらつか...」
昇降口の入口に貼られたクラス表から
自分の名前を必死に探してると、
後ろからポンと誰かの手が頭に乗った。
「今年も俺ら同じクラスだよ」
「あ、竜ちゃん」
振り返ると、それは幼馴染みの竜ちゃんの手で。
竜ちゃんと同じってことはまた席近いじゃん。
「ちなみに安嶋くんも一緒」
「え、去年と全然変わんないじゃん」
「まぁいいんじゃん？人見知りのAからすれば変わり映えしないのはラッキーでしょ？」
「それはそうだけど...あ、胡桃は？」
胡桃が一緒か一緒じゃないかで
私のこの1年間が決まると言っても
過言じゃないもん。
私にとったらあじくんよりも胡桃の方が大事だわ。
「桃瀬も同じだよ」
「あー、よかった！あじくんよりもそっち先に知りたかった」
「そんなこと安嶋くんが聞いたら泣いちゃうよ？」
竜ちゃんと昇降口から離れて、
自分のクラスの下駄箱に行くと
運が悪いことに一番上で。
「うわ、ドンマイじゃん」
「最悪..."ひ"なんだから真ん中くらいだと思ったのに」
「仕方ないから交換してやるよ」
竜ちゃんはそう言うと、
自分のローファーを私のところに入れてくれた。
「ありがとう、竜ちゃん」
「平塚家はちっちゃいからね」
「それお兄ちゃんの前で言ってごらん」
「いやそれは勘弁！翔馬くん怒ると地味に怖いから」
「あははっ、竜ちゃんにだけ冷たいもんね」
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作者名：miu*｡ﾟ | 作成日時：2021年2月18日 18時
