紳士の彼女は百合好きの変人さん。 (ページ3)

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第三話から始まる小説珍しくね？ページ3

Aside

私はどうして＂紳士＂と呼ばれるようになったのでしょうか？

正直言って私には理解できないのです。

私は別に特別頭がいいわけでもなく、特別優しいわけでもありません。

ですがそんな私を皆さんは＂紳士＂と言って慕ってくれています。

それはとても嬉しいことなのですが、私に普通に接してくれている方が少ないような気がしてならないのです。

私が人を助ければ頬を染めて可愛らしく「ありがとうございます！」と言ってくれるまでは嬉しいのですが、そのあと逃げるように去って行ってしまうのです。

それが私にはとても悲しいことなのです。

何故私は＂紳士＂と呼ばれるようになったのか

その疑問を授業時間の合間の休憩時間に私の彼女に聞いてみた。

そしたら

蘭華「そんなところが紳士なんでしょうが。
いつも誠実でかっこよくて優しくて、気さくでしっかりしてて頭も良くてスポーツ万能副教科だって全てしっかりこなすし、何でもそつなくこなすことができるし...そんなところが紳士って呼ばれる由縁でしょ。」

蘭華「それにAにはファンクラブだってあるんだよ！？ファンクラブの会員は学校中の女子1/3が入ってて、一部の男子だって会員として入ってるんだよ！？」

という返事が帰ってきた。

A「でもファンクラブなんて聞いたことないよ？それにどうして私のファンクラブの会員は女の子が多いの？嬉しくはあるけど...」

蘭華「そんなの決まってんじゃん！！Aに惚れたからだよ！この間だって廊下で前が見えなくなるくらいノート持ってた女の子に『大丈夫ですか？お嬢さん。お手伝い致しましょうか？』って声かけて手伝ってたし、それにその女の子のノートのほとんどAが持って運んであげてたでしょ？そしたら次の日にはその子がAのファンクラブの一員になってたし...」

そんなに熱演されても私にはやはり理解できなかった。

その時だってたまたま重そうなノートをたくさん抱えた女の子がいたから助けただけであって...

やはり私には理解できない。

しばらく一方的な熱演を聞いていた。

そんな時私達の会話(？)はチャイムによって断ち切られた。

蘭華「チャイムなっちゃったね～それじゃそろそろ席に戻ろかな。それじゃあまた後で～」

蘭華が去った後の静かさはまるで台風が過ぎ去った後のようだった。

もう少し蘭華と話して居たかったがその考えを振り払い授業を受けた。