国木田独歩の妹です。 (ページ21)

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理由は単純な事で。ページ21

夢主side ※これは何故夢主ちゃんがあの事件を起こしたのかについて書いたものです。

最近、兄さんが冷たくなっている。

依頼も全然一緒に行ってくれないし、前よりやたらと理想を追い求めている。

『兄さん。』

国｢悪い、今は構っている暇はないんだ。｣

と、そのままパソコンに向かう。

…仕方ないのは分かっているけど寂しい…。

太｢秋ちゃーん。｣

『太宰さん…。』

太｢元気ないね、どうしたの？｣

『…兄さんが最近冷たいんです。』

太｢…国木田君か…。｣

『嫌われてしまったのでしょうか…。』

太｢…心配する事は無いよ。ああいう時期なんだ。｣

太宰さんに励ましてもらって少し元気になった。

…何か私が兄さんの為に出来る事はないかな…？

『うーん…？』

あ！そうだ！

――――――
『あ！兄さん、おはよう！』

国｢…今日は起きるのがやたらと早いな。｣

『兄さんの為に朝食を作ったんだ！…ちょっと失敗しちゃったけど…。』

フライパンも、もう使い物にならないな…。

国｢…まったく…何をやっているんだ。｣

兄さんの低い声。

やばい…怒ってる…。

『ご、ごめん…なさい…。』

国｢…もういい、後は俺がやる。｣

私は家にいるのが気まずくて先に探偵社に向かった。

『はあ…。』

朝は失敗しちゃったな…。

でも他にもできることはあるよね！

『よし！やるぞー！』

それから兄さんのためには何かとやったけど

…全部失敗してしまった。

国｢お前はどれだけ俺の邪魔をすれば気が済むんだ！｣

『っご、ごめんなさい…。』

国｢嫌がらせをしたいのか！｣

私は兄さんの役に立ちたいだけなのに…。

太｢国木田君、秋ちゃんは…。｣

国｢俺の理想を狂わせるのもいい加減にしろ！｣

私はただ泣くことしか出来なかった。

国｢俺の理想にはこんな妹がいるとは書いていない！なぜお前のような…｣

太｢国木田君！…それは言い過ぎだ…。｣

パリン、と、私の中の何かが壊れていくような音がした。

『兄…さん…？』

私は兄さんに必要とされていない？？

いらない子？？

…いらない子は嫌だ。

｢お前も独歩みたいに出来れば…。｣

｢あんたはいらない子なの。｣

いつか母さんも父さんに言われたことを思い出した。

あの時のようにはなりたくない。

いやだいやだいやだいやだいやだ。

私は外へ飛び出した。