【鬼滅の刃】光柱は堅苦しい

六話【わざと】 ページ7

伊「よっしゃあ！！飯だァ！！！」


そう言うと、猪の被り物を投げ捨てる伊之助。


伊之助の顔を見て阿光は驚いた。


「(…女性のような綺麗な顔をしている。なぜわざわざ猪の被り物をしているのであろうか。)」


「(……あと、食べ方が汚い。)」


炭「伊之助！きちんと"いただきます"を言わないか！」


伊「あぁ！？」


「(…礼儀がなっていない。)」


炭「それにちゃんと箸を使え！手で掴むのは手が汚くなる！」


「(…行儀も悪い…。)」


阿光は食べるのを忘れ、考えた。


なぜ伊之助はこんな振る舞いをしているのか、と。


「(嘴平くんは綺麗な顔をしているのに勿体ない…。)」


炭「伊之助！阿光さんの分まで食べるのをやめろ！」


伊「ガハハハハ！！！」


「(もしや…この様な振る舞いはわざとしているのではないだろうか…！)」


「(彼は男なのに女のような自分の顔を嫌っている。だからわざと顔を隠し、振る舞いを豪快にし、鍛え上げた筋肉を見せるため上半身が裸なのではないだろうか…。いや、きっとそうだ…。)」


「(…私と似たような悩みを抱えているのか、この少年は…。)」


「(よし、決めた。)」


阿光は、何を考えたのか、伊之助の手を取った。


「君、名を伊之助と言いましたね。」


伊「なんだよ。」


「伊之助くん。」


炭「(今、阿光さんが伊之助を下の名前で呼んだ！？)」


阿光は基本誰かを下の名で呼んだりしない。


そのことは鬼殺隊ならば誰もが知っていることなので炭治郎はとても驚いた。


驚いただけでなく、羨んだ。


自分も下の名で呼んでもらいたい、と。


驚くことはさらにある。


「伊之助くん、私の弟子になりませんか。」


炭「え…？」


伊「は？」

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