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三十話【噂をすれば】 ページ31

し「Aさんは傷の治りも早いですし…あと二週間ほどで退院出来るでしょう。」





「蟲柱殿…ありがとうございます。」





「ところで…私は何日眠っていたんですか?」





し「疲れも出ていたんでしょう…三週間ほど眠ったままでした。」





「そうですか…。」





そんなに眠っていたのか、とあまり実感のわかない阿光。





し「貴方が無事で良かったです。…伊之助くんはほとんど寝ずに貴方の傍に居ました。」





「伊之助……。」





今も尚、阿光の手を握りながら寝ている伊之助。





確かに彼の目の下には隈が出来ている。





阿光は感謝の気持ちを込め、伊之助の頭を優しく撫でた。





し「柱のみなさんも、阿光さんのお見舞いに代わる代わる毎日来ていました。」





「もしかして…そこの机の上の贈り物はみなさんが…?」





し「ふふ、はい。」





伊之助の手を一度解き、贈り物を一つ一つ見ていく。





乳白色のガラス器は…無一郎くん。"またご飯誘って"と言葉が添えられている。





沢山の桜餅…きっと恋柱殿だろう…。彼女らしいな。





それに…これはカステラ…?桜餅と同じお店のものだから恐らく蛇柱殿だろう。





スミレの花…"無事を祈っている"…この字は岩柱殿…私の好きな花を覚えて下さっていたんだ…。





…………櫛か…。赤い派手な色…。…誰かは予想がつく。あまり深く考えないようにしよう。





白い羽織り…。後ろに"殺"と書かれている。これは風柱殿だろう。それこそ風柱殿より羽織は長いが。





「こんなに沢山…。」





し「…私からはこれを。」





受け取り、開けると黄色い蝶のブローチだった。





し「私や蝶屋敷のみんなと同じ物です。受け取って下さいますか…?」





「はい、もちろんです。こんなに素敵なものをありがとうございます。」





しのぶはほっとしたような顔をすると、話題を変えた。





し「そういえば、不死川さんは毎日お見舞いに来てくださったんですよ。」





し「いつもこの時間帯に来るはずなんですが…。」





不「邪魔するぜェ。って……阿光…?」





噂をすればなんとやら。丁度不死川がお見舞いに来た。目覚めた阿光を見て目を見開いている。





「風柱殿…こんにちは。」





不死川はどんどん阿光に向かって歩いていく。




一瞬、阿光に手が伸びたが一度引き、今度は頭に手を伸ばすと、優しく撫でた。





不「…やっと起きたかァ…。」

三十一話【蘇る】→←二十九話【良い子悪い子】



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おむらいす星人(プロフ) - 雪音さん» コメントありがとうございます!これからも応援よろしくお願いします! (2019年12月12日 20時) (レス) id: f5ed810082 (このIDを非表示/違反報告)
雪音 - 夢主ちゃん天然だけどカッコイイ〜!そして可愛い!これからも更新頑張ってください (2019年12月12日 20時) (レス) id: a35ce04668 (このIDを非表示/違反報告)
おむらいす星人(プロフ) - カナデさん» コメントありがとうございます!夢主の魅力が伝わって嬉しいです!これからも応援よろしくお願いします! (2019年11月25日 20時) (レス) id: f5ed810082 (このIDを非表示/違反報告)
カナデ(プロフ) - 堅苦しく礼儀に厳しい夢主ちゃんがちょっと天然でずれてるところが愛らしい笑。宇随さんの「そいつも思春期なんだよ」は思わず吹き出しちゃいました!これからも応援してます。更新頑張ってください!! (2019年11月25日 1時) (レス) id: d6342d80f2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おむらいす星人 | 作成日時:2019年11月16日 23時

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