十六話【普段と違う】 ページ17
「光の呼吸、参の型、月光。」
月の光が込められた日輪刀を振るう。
鬼の首は、いつの間にか斬られ、鬼の悲鳴もなく事は終わった。
「(…これで終わりか。)」
阿光はひと息つくと、静かに歩き出した。
ふと、視線を感じる。
阿光は歩く足を止め、刀に手を添えた。
「…光の呼吸、壱の型…。」
「阿光、俺だァ。」
茂みの中から現れたのは、風柱、不死川実弥だった。
「!…これは風柱殿、申し訳ございません。」
阿光はすぐさま頭を下げる。
実「いや…いい。」
「(いつもより声色が…。それに、風柱殿はこんなにも穏やかな人だっただろうか…?)」
下げていた頭を上げる。
「(特に鬼の気配もしない、風柱殿本人で間違いはなさそうだ。)」
実「任務は終わったところかァ?」
「はい、風柱殿も?」
実「そうだァ、…この後少し時間あるか?」
「?…はい。」
実「飯、食いに行くぞ。」
「??…了解しました。」
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それからは特に会話もなく、店に着いた。
「ここ…飲み屋ですか?」
実「見て見りゃわかんだろォ。」
「私、失礼ながらお酒にあまりいい思い出がなく…。」
不死川はきょとん、とした顔をする。
実「なんだァ?阿光、二十手前じゃねえのかァ?」
「(…しまった…。)」
前に一度、阿光は二十でもないのに酒を飲んだことがある。
…その時にあったことはまた今度語る事にしよう。
とにかく、阿光は誰かにバレたくはなかったのだ。
その時は柱ではなかった阿光だが、鬼殺隊である自分が犯した失態を。
━━━━━━━そしてその時失ったモノを。
「今のは…その…。」
実「ふ…まァいい、この飲み屋は飯が上手いだけだ。酒は飲まなくていい。」
そう言って阿光の頭を撫でる。
「(今…笑った…?)」
「…わかりました。」
不死川の言動に疑問を持つ阿光は、
不死川の後を追い、飲み屋へ入った。
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おむらいす星人(プロフ) - 雪音さん» コメントありがとうございます!これからも応援よろしくお願いします! (2019年12月12日 20時) (レス) id: f5ed810082 (このIDを非表示/違反報告)
雪音 - 夢主ちゃん天然だけどカッコイイ〜!そして可愛い!これからも更新頑張ってください (2019年12月12日 20時) (レス) id: a35ce04668 (このIDを非表示/違反報告)
おむらいす星人(プロフ) - カナデさん» コメントありがとうございます!夢主の魅力が伝わって嬉しいです!これからも応援よろしくお願いします! (2019年11月25日 20時) (レス) id: f5ed810082 (このIDを非表示/違反報告)
カナデ(プロフ) - 堅苦しく礼儀に厳しい夢主ちゃんがちょっと天然でずれてるところが愛らしい笑。宇随さんの「そいつも思春期なんだよ」は思わず吹き出しちゃいました!これからも応援してます。更新頑張ってください!! (2019年11月25日 1時) (レス) id: d6342d80f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おむらいす星人 | 作成日時:2019年11月16日 23時