５１話【私が言えることじゃない】 ページ3
『緑谷君！』
緑｢なんか普通に動けるようになった！！｣
轟｢時間制限か｣
｢いや、あの子が一番後にやられたハズ！｣
だとしたら時間制限じゃなくて…
轟｢下がれ緑谷！｣
緑｢ひえ！｣
轟君の氷でステインを遠ざける。
流石だ、行動が早い。
緑｢血を摂り入れて動きを奪う、僕だけ先に解けたってことは｣
轟｢考えられるのは３パターン
人数が多くなる程効果が薄くなるか、摂取量か…｣
『…血液型によって効果に差異が生じるか…』
ヒーローさんはＢで飯田君はＡみたいだ。
ｽﾃｲﾝ｢血液型…ハｧ、正解だ｣
緑｢わかったところでどうにもならないけど…｣
轟｢さっさと二人担いで撤退してぇとこだが…｣
『ダメだね、私たち二人の氷も炎も避けられる程の反応速度。そんな隙見せられない』
轟｢あぁ、プロが来るまで近接を避けつつ粘るのが最善だと思う｣
緑｢轟くんは血を流しすぎる、神崎さんはそろそろキャパの限界もあると思う。
僕が奴の気を引きつけるから後方支援を！｣
轟｢相当危ねぇ橋だが…そうだな｣
轟｢３人で守ろう｣
ｽﾃｲﾝ｢三対一か……甘くはないな｣
飯田君のお兄さんの事があってから…飯田君の顔が険しくなっていた。
飯田君の気持ちはよくわかる。
身内が…家族が居なくなったら…。
…………私は守れなかった。
家族を、お母さん、お父さんを。
私は守れなかったんだ。
逃げてばっかの私が飯田君に掛ける言葉なんてあるのか？
私が言える立場なのか？
私は二人が戦っている姿をただひたすら眺める事しかできなかった。
いや、しなかった。
飯｢やめてくれ……もう僕は…｣
轟｢やめて欲しけりゃ立て！！
なりてぇもんちゃんと見ろ！！｣
その轟君の言葉が深く心に突き刺さった。
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作者名：おむらいす星人 | 作成日時：2018年2月19日 22時
