土足で踏み荒す ページ5
お前、おもしろい女だな
なんて、今時笑えるような一言なのに。現実ではそれが起こってしまっている。
ララちゃん。とても可愛い。性格も明るくハキハキしていて、分け隔てなく優しい。
気持ち悪い。そんなの絶対に嘘だ。絶対に、そんな綺麗ではない。
.
放課後、なんとなく教室で宿題をしていた。侑はもう一緒に帰ってはくれないけれど、なんとなく癖で。生活習慣さえ彼に合わせていたのに。
それを許してもらえてたから、自惚れてしまったのだ。
侑にも非があると思う。
「Aちゃん」
カシャンッとペンが落ちた。教室掃除は適当で床はあまり綺麗ではないのに、ああ汚い。
にこにこと人の良い笑顔を浮かべて私の席までまっすぐ向かってくるのはララちゃんだった。
ふんわりと髪が揺れる。どこもかしこも完璧すぎて、怖い。
「……安心して。私、侑のこと待っとるわけちゃうから」
「あ、うん。それは別にええねん。……勉強しとったん?」
侑の彼女だからとかそういうのを抜きにしても、私はこの子が苦手だった。
ヅカヅカと人のために心に入り込んでくる感じ。あまりにも自然な流れだけれど、心の領域の扉が無理やり開けられるような心地は、あまり気持ちのいいものではない。
隣の席の子の椅子に座り、私のノートを覗き込む。そう、こういうところ。
「……なにそれ。料理名?」
「侑の好きなやつ。ちゃんと覚えとるか確認しとったねん。……なんか用?」
パタンとノートを閉じると、クスクスとララちゃんは笑った。さっきから何なのだろう。この子、こわい。
「めっちゃマウント取ってくるやん。うける」
「…………は?」
283人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぴーなつ(プロフ) - ゆーり。さん» ゾクゾク感を感じていただけたのであれば幸いです( ˘ω˘ )!嬉しいコメントありがとうございます! (2020年4月11日 11時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーり。 - 読めば読むにつれて鳥肌が止まらず。。。ほんとにめちゃくちゃゾッとしました。でもそれ以上に言い表せない高鳴りが!!!面白かったです!!!! (2020年4月11日 9時) (レス) id: 56b835e328 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーなつ(プロフ) - (名前)さん» この作品で1番の黒幕と言いますか、操り糸を自在に動かしていたのは治だった、という事実をインパクトをもってお伝えしたかったので、そのようにコメントいただき嬉しいです( ; ; )!ありがとうございます (2020年4月9日 21時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - めちゃくちゃ良くてびびりました!!特に最後の二ページに鳥肌が止まらないです!夢主はちゃんと恋になったけど治は戀...。予想していない展開でした、とにかく最高です!!! (2020年4月6日 2時) (レス) id: 678e1d11d1 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーなつ(プロフ) - こはるさん» こははははははる!!!ちょっと自分でもびっくりするくらいドロついて収集つかなくなりそうになりながら無事終わらせました( ˘ω˘ )! ありがとう! 侑はドロドロがとんでもなく書きやすい!!笑 (2019年10月18日 23時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぴーなつ | 作成日時:2019年9月18日 22時