なあ侑 ページ15
「A、侑くんきとるで」
「え、侑?」
部屋でSNSを見ていると、お母さんが部屋まで私を呼びにきた。休日の夜の8時、1日練習試合だと治が言っていたからそれを終えてからわざわざきたのだろう。
スマホを置いて部屋を出ると、玄関でひらりと手を振る侑がいた。
「今日練習試合やったんやろ? おつかれ」
「んー。疲れた」
部屋に入って座ると、くったりと私の肩にもたれかかってくる。
侑がこういう姿を見せるのは心を許した相手だけだから、とまた自惚れて変な気持ちになった。
「なんか」
「ん?」
「A、最近遠いから嫌なんやけど」
「……寂しかった?」
「おー、」
ぐり、頭を埋める。シャンプーのいい香りがして、シャワーを浴びてきたのかと少しときめいた。
「……Aって嫉妬せんやんか」
「え? うそ、めっちゃするで」
「俺が他の子と話しとっても何も拗ねへんかったやん」
他の子、というのは同級生のことだ。
だってそれは、同級生に可愛い子はたくさんいるけれど侑の彼女ではなかったし、私は結局侑と1番仲がいいのは自分だと確信していたから。自分が侑の1番だと信じて疑わなかったからこそ、嫉妬しなかったのだ。
むしろ侑と話せて嬉しそうにしている子たちを見て「どうせ私が1番なのに」と優越感に浸り見下すきらいさえあった。
「私侑と1番仲ええ自信あったから。でもやっぱ、彼女となったらちゃうやん。彼女が1番になるやんか」
「……妬いた?」
「妬いたしララちゃんちょいちょい性格悪いから腹立った」
「ぶはっ、マウント取られた?」
「とられた」
「やな思いさせたな、ごめんな」
ぽん、と頭を優しく撫でられて、今なら聞けるかもしれないと思った。す、と息を吸う。
「なあ侑。侑にとっての私って何?」
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ぴーなつ(プロフ) - ゆーり。さん» ゾクゾク感を感じていただけたのであれば幸いです( ˘ω˘ )!嬉しいコメントありがとうございます! (2020年4月11日 11時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーり。 - 読めば読むにつれて鳥肌が止まらず。。。ほんとにめちゃくちゃゾッとしました。でもそれ以上に言い表せない高鳴りが!!!面白かったです!!!! (2020年4月11日 9時) (レス) id: 56b835e328 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーなつ(プロフ) - (名前)さん» この作品で1番の黒幕と言いますか、操り糸を自在に動かしていたのは治だった、という事実をインパクトをもってお伝えしたかったので、そのようにコメントいただき嬉しいです( ; ; )!ありがとうございます (2020年4月9日 21時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - めちゃくちゃ良くてびびりました!!特に最後の二ページに鳥肌が止まらないです!夢主はちゃんと恋になったけど治は戀...。予想していない展開でした、とにかく最高です!!! (2020年4月6日 2時) (レス) id: 678e1d11d1 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーなつ(プロフ) - こはるさん» こははははははる!!!ちょっと自分でもびっくりするくらいドロついて収集つかなくなりそうになりながら無事終わらせました( ˘ω˘ )! ありがとう! 侑はドロドロがとんでもなく書きやすい!!笑 (2019年10月18日 23時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴーなつ | 作成日時:2019年9月18日 22時