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「キン、ギン!」


呼べば必ずやってくる彼らは、今日は二人同時に私の隣に現れた。
そうして、優しい顔をして私に触れた。


「A、今日はかくれんぼしよ」

「ギン? いっつもお菓子お菓子言うのにそんなに遊びたいん?」

「うん。遊びたい。……な、キン」


彼は笑う。とても優しくて、少し悲しそうな笑顔だ。


「Aが鬼な」

「えー、なんや横暴やなあ。しゃあなし鬼したるわ」


そう言うと安心したような顔をして、二人はまた私に触れた。

お返しだと私も彼らに触れると、とてもあたたかかった。


「範囲は神社の中だけな。んー、20数えるな!」

「わかった」


大きな木に寄りかかって、目をつぶって数を数える。
かくれんぼなんて久しぶりだった。大きな声で数を数えるなんて、恥ずかしいのに不思議とそんな風に感じなかった。


この幸せな時間が、ずっとずっと続けばいいのに



「じゅうきゅー」



ーーさようなら



「に、じゅ……ぅ」


シャン、


簪が揺れる。耳元で何かが囁いた。


「キン、ギン……?」


声に出して、首をかしげる。

キンとギンって、誰だ。何だ。
どうして私はここにいるのだろう。私はどうしてこの木に寄りかかっていたのだろう。


20数えたら、何するんやったっけ?



心臓が唸る。
波打って、喉に心臓が突っかかっているように息がしづらい。



「……っ、あ、……誰、名前、は……」


分からない、分からない。
ただ、悲しみと同時にこみ上げるのは、怒りだった。



「全部捨ててあんたの嫁になるって言うたやんか……!」



誰に向けてそれを言ったのか分からないのが悔しくて辛くて、ただひたすら一人で涙を流した。


捨てられたのに。
あんたのために、私はなんだって捨てられたのに。




私はずっと、鬼のまま。
かくれんぼは終わらない。

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ぴーなつ(プロフ) - 通行人Bさん» こういうときついった繋がっててよかったって思うありがとう! (2017年9月6日 1時) (レス) id: fdda74aed7 (このIDを非表示/違反報告)
通行人B(プロフ) - ぴーなつさん» そそ割とコメントしてた!! りえだったんです〜!! 笑 どういたしまして!! (2017年9月3日 21時) (レス) id: 75168181ed (このIDを非表示/違反報告)
ぴーなつ(プロフ) - 通行人Bさん» ありがとう〜〜! 通行人Bて、え、結構コメントもらったことあるんじゃ!?笑 里依だったの!笑 コメントありがとね〜〜! (2017年9月1日 14時) (レス) id: fdda74aed7 (このIDを非表示/違反報告)
通行人B(プロフ) - 3日に1度のペースで読み返しにきてます里依ですよ!! これほんと好きなんだよね!! コメントするの忘れてた気がするからしときます完結おめでとう!! 笑 (2017年8月30日 20時) (レス) id: 75168181ed (このIDを非表示/違反報告)
ぴーなつ(プロフ) - ラシェーヌさん» ありがとう! 悲しいばかりのエンドでも、どこかに美しさや儚さを感じてもらえたのなら!嬉しいです! (2017年8月30日 11時) (レス) id: fdda74aed7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぴーなつ | 作者ホームページ:http  
作成日時:2017年6月18日 20時

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