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しゃらん、とどこかで簪が揺れる音がする。
カッカッと粋な音を下駄が立てて、美人を誘う店の男の声がする。
どこもかしこも音が絶えずに、楽しそうだ。
長い道のそばには沢山の店が並んでいて、並べられた装飾品がキラキラと眩しかった。
その世界の空は夕方ぐらいの色で、滲んだオレンジと青に酔いそうだった。
暗くて眩しくて騒がしくて、そして、とても美しい
「みんな楽しそう！」
「A、あんまりはしゃぐとこけるで！」
「お前が言うな」
子供の頃のギンの着物とキンの下駄を履いて、人間の匂いを隠している。
バレたら危ないからと、背の高い二人に挟まれて歩いていた。
美形の二人を連れて歩いているのは不思議で、正直自分の顔を隠したくなる。
「おや金狐に銀狐、かわいらしいお嬢さん連れてどうしたんだい」
赤い紅が美しい妖艶な女性が、声をかけてきた。少し掠れた声は、手に持つ煙管のせいだろうか。
「散歩」
「ははっ、散歩！ へえ。どっちかの嫁候補じゃないの。ほれ、簪一本好きなのやるよ。選びな」
「えっ、でも……」
「こういうときはもらっとくねん」
キンが手を伸ばして簪を揺らす。
ガラス玉の中に小さな花が閉じ込められた、可愛いくて綺麗な簪だった。
「Aにはこれやろ」
優しくキンが笑うから、目を奪われてしまった。
「じゃあ、これにする」
しゃらん、とガラス玉についている飾りが揺れた。
簪を使った髪型をまた練習しよう。
「A、俺扇子もらった！」
「ギン！ わ、かわいい、ありがとう！」
耳と尻尾が生えていなくても、今は、今、この世界にいるときだけは、彼らの仲間になれている気がした。
「楽しいか？」
「楽しい！ すっごい、楽しい！」
ああ、この世界のものでも口にして、この世界の住人にでもなってしまおうか
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ぴーなつ(プロフ) - 通行人Bさん» こういうときついった繋がっててよかったって思うありがとう！ (2017年9月6日 1時) (
レス) id: fdda74aed7 (このIDを非表示/違反報告)
通行人B(プロフ) - ぴーなつさん» そそ割とコメントしてた!! りえだったんです〜!! 笑 どういたしまして!! (2017年9月3日 21時) (レス) id: 75168181ed (このIDを非表示/違反報告)
ぴーなつ(プロフ) - 通行人Bさん» ありがとう〜〜！ 通行人Bて、え、結構コメントもらったことあるんじゃ！？笑 里依だったの！笑 コメントありがとね〜〜！ (2017年9月1日 14時) (レス) id: fdda74aed7 (このIDを非表示/違反報告)
通行人B(プロフ) - 3日に1度のペースで読み返しにきてます里依ですよ!! これほんと好きなんだよね!! コメントするの忘れてた気がするからしときます完結おめでとう!! 笑 (2017年8月30日 20時) (レス) id: 75168181ed (このIDを非表示/違反報告)
ぴーなつ(プロフ) - ラシェーヌさん» ありがとう！ 悲しいばかりのエンドでも、どこかに美しさや儚さを感じてもらえたのなら！嬉しいです！ (2017年8月30日 11時) (レス) id: fdda74aed7 (このIDを非表示/違反報告)
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