揺れる、 ページ15
欠けた月の下。
待ち合わせの椚ヶ丘の校門の前で、彼女はいつものように笑って立っていた。
黒い髪を風になびかせ、メガネをかけて。
僕も笑った。
いつものように手をひらりと振って。
ああ、その笑顔も偽りだというのか。
「犯人がわかったよ」
そう言うと、別段驚いた顔をせずに「そう」と一言呟くだけだ。
手を引いて。
揺れる髪と、僕のカバン。
「今から例の公園にいこうか」
「こんな遅くに大丈夫かって聞かないのね」
「君の家族は高橋先生だけだっただろう？」
「…さすが」
そう言ってAはまた柔らかく笑うけれど。
それが、本物かなんて、僕には分からなかった。
分からなかったから。
「浅野くん、私、あなたに会えてよかったわ」
「君は僕の相棒だからな」
「まだそう言ってくれるのね。もしかしたら犯人を間違えているかもしれないわ」
その、なにを言うかわからない唇に噛み付いてやろうか。
そうしてなにも話せなくして。
僕だけの鳥かごの中にいてくれたら。
なんて。
「いや、間違ってないさ。君も賢いが、僕の方が賢いからね」
「そうだね」
するりと手を組まれた。
あたたかく、やわく。
おだやかに。
「浅野くんは、私の正義だよ」
ばかだな、と言うと、より一層腕を掴む力を強くした。
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ぴーなつ(プロフ) - Annaさん» 完結した後もこうしてコメントありがとうございます！ (2016年12月16日 6時) (
レス) id: fdda74aed7 (このIDを非表示/違反報告)
Anna(プロフ) - すごく素敵な作品ですね！！ (2016年12月16日 2時) (レス) id: 92f23686ad (このIDを非表示/違反報告)
ぴーなつ(プロフ) - 妄想ネトゲ少女さん» か、神…！？それに素晴らしいという言葉、ありがとうございます！ (2016年9月11日 10時) (レス) id: fdda74aed7 (このIDを非表示/違反報告)
妄想ネトゲ少女 - 浅野くんかっこよかった!神ですね!素晴らしかったです！ (2016年9月11日 9時) (レス) id: d9c81f24cd (このIDを非表示/違反報告)
ぴーなつ(プロフ) - ラシェーヌさん» ありがとうございます！前作も読んでくださっていたのですね！感激です！ (2016年9月5日 18時) (レス) id: fdda74aed7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴーなつ
| 作成日時：2016年9月4日 12時
