君が死んで、愛を知る【国見英】

手紙 ページ9

Aへ


好きだよ、大好きだよ、愛してるよ


いつか言えなくなる言葉だから、気持ち悪いくらいここで言って、形として残しておこうと思う。


口に出しては中々言えないかもしれないけど、そこは許してほしい。


いつもありがとう。月並みなことしか言えないけど、これは俺がAを愛した証だから。


案外喧嘩したよな、俺たち。それも子供みたいなことが原因で。


でもそんなしょうもない喧嘩だったからすぐに仲直りしてさ。仲直りした日の夜は長電話して、Aがすっごい早口で「好きだよ」って言って電話切ってさ。


お前がいつもすぐに電話切るから、俺いつも「俺も好きだよ」って言い返せなかったじゃん。


Aのバーカ。好きだよ。


忘れたくないなあ、ほんとに。


俺、Aが思ってるよりずっとAのことが好きだから。


好きだよ、大好きだよ、愛してるよ


二回目。文字にするだけでも結構照れるな。


俺、愛情表現は言葉より態度な人だからさ。


なんて書けばいいのかよくわかんないんだよな。この手紙にキスでもしておこうか。


なんて。笑った？笑えよ？


ずっと笑ってて。


俺のわがままだけど、俺が忘れても、笑っててほしいって、俺は思うから。何言ってんのか自分でもよくわからないけど。


とにかく幸せになって。


俺が幸せにしたかったけど、それは無理みたいだから。


あのな、A



好きだよ、大好きだよ、愛してるよ




Aが大好きな国見英より

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