甘え ページ21
せいらがいる場所で、そこは彼女の居場所だからと言い訳して、今まで極力バレー部に関わることを避けてきた。
直接ではなくとも、言葉の裏で私とせいらを比べたりしているのでは、と疑ってしまうと思っていたから。
比べられることには慣れていて、そこで自分が劣っていることも分かっていて。
けれどいつもどこかで期待して、勝手に落ち込んでいた。
私の中で、せいらは弱さの象徴だった。
けれど、そんなことなくて。
絶対的に強い人も、弱い人もいないのだ。
「英っ」
名を呼んで、かけよって。
彼も私を見た。
昼休みは、残り少し。
「A？」
いつもは場を暗くしたくなくて、ヘラヘラ笑って、けれどそれが長所であり短所であると、岩泉さんが教えてくれた。
感情を表に出すことは、悪いことじゃないのだ。
「私、せいらと喧嘩っぽいことした」
教室だし、あくまで小声で。
というか、声が震えて出しにくかった。
「…大丈夫か？」
「…大丈夫ない、から、英のとこにきた、けど…」
甘えるってどういう風にするのだろう。
わからないまま、私は彼に甘えに来てしまったから。
ただ不安定な感情だけが、止まることを知らない。
「…よしよし」
戸惑いながらも、ぎこちなく頭を撫でる手のひら。
それは、当然英のもので。
恥ずかしいのか、顔をそらしている英を見て、言葉にできないモヤモヤが一気に吹っ飛んでしまった。
「なに笑ってんだよ」
「嬉しくて」
「それはよかったです」
「うん、ありがとう、英」
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サラミ - めっちゃ感動しました!!!なんかこう…ライバルが悪女じゃなくて背中を押してくれるみたいなほんとにかっこいいです。グッと来ました!!!! (2022年11月3日 12時) (
レス) @page38 id: 82adb6822c (このIDを非表示/違反報告)
るる - めちゃくちゃ感動したし実際私も今こういう感じなんでめちゃくちゃ勇気づけられました!頑張ってきます！！ (2022年8月16日 13時) (レス) @page38 id: c3ead30411 (このIDを非表示/違反報告)
まる - めちゃくちゃ感動した！！今まで読んだ恋愛夢小説の中で1番好き。最後の可愛いは絶対じゃないってセリフが好きすぎます！ (2022年8月5日 0時) (レス) @page38 id: c1782db64e (このIDを非表示/違反報告)
パステル(プロフ) - この作品すごく良かったです！なんか語彙力なくなるくらい凄いと思いました！ (2022年6月15日 6時) (レス) @page38 id: efa3c419f1 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑 - すっごいこの作品好きです！ライバルちゃんも、決して悪女とかじゃなくて振られた後に背中を押してくれる…ライバルちゃんはあたしにとってかっこいいですわ。その後のライバルちゃんとの関係もなんかかっこいい… (2022年5月5日 2時) (レス) @page39 id: 1c7bf85d9b (このIDを非表示/違反報告)
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