問題児娘 (ページ5)

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二宮side

Aの熱は案の定上がっていた。

元々、これだけ熱があれば平熱の低いAはしんどいだろう。

Aはブルブルと少し震えている。まだ熱が上がるんだろう。さっさと解熱剤うつか。

二宮「A、点滴と坐薬どっちがいい？」

「…どっちもやっ！」

二宮「じゃあ、点滴な。」

Aの嫌いな方を選んでやった。

何も言わずに病室を出たお仕置きだ。

「ヤダって言ったじゃん！」

二宮「聞こえませーん」

点滴を準備する。

二宮「はい、手出して」

「やだっ！」

二宮「手」

「やっ！」

二宮「出せ」

「やーっ！」

二宮「いい加減にしろよ？」

「ひっ！ふぇぇ…」

二宮「泣いてもダメ。出す」

やっと大人しく手を出してくれた。

一瞬で解熱剤をうつ。

二宮「はい終わり」

「ふぇぇぇぇん…和せんせ…」

Aは抱っこを求めてくる。こうやって求めてくんのが嬉しくて、いじめてる部分もある。

Aは俺にとって妹みたいな存在だ。小さい頃から見てきたから、可愛くて仕方がない。可愛いからこその厳しさがある。

二宮「はいはい。」

Aを抱き上げて、ベッドに腰掛ける。

「痛かったぁ…！ヒック」

泣きながらぎゅうっと抱きついてくるA。

二宮「はいはい、ごめんね。」

背中をとんとんと叩きながら謝る。これが一番落ち着くらしい。毎回泣いた時にこれをやるとすぐ泣き止んで寝る。

「ひっく…ひっく…」

暫くすると、すーすーと気持ちよさそうな寝息が聞こえてくる。

上田「じゃ、俺仕事戻ります。A頼みます」

二宮「あ、上田先生。当直を変更しといてください」

上田「わかりました。では」

二宮「Aのおかげで当直にならなきゃ行けなくなったじゃないですか」

Aの頭を軽く撫でながら呟く。

「んん、和せんせ…」

「……大好き」

二宮「はぁ…お前には適わないわ」

何をされても許してしまうのはこうゆうことを言うからだよな、

一生こいつには適わないんだろうな

二宮「A、絶対治してやるからな。お前の幸せを祈ってるよ」

聞こえたのか偶然なのかAがふにゃっと気の抜けた笑顔で笑った。