筒抜です作間くん。

#06 : お友達 ページ6

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翌日朝イチから廊下に響く誰かの歌声


声量と周りの反応からして心の声だろう


そして、声からして作間くんだろう
なんてお気楽なんだ







しかしそれも教室前方のドアが開かれると共にピタリと止んだ





今日こそ俺から話そう

まず挨拶だよなぁ

普通におはようかな

でもそれだとおはようって返されて終わりだ



つい昨日初めましてした私たちにはそれくらいが妥当では



もっと会話が続くようなやつ、

グッモーニン

だめだ帰国子女だと思われる



思わないよ！もうふざけてるでしょ





朝は正面からしっかり姿を見たいとか何とか、


1番後ろの席にも関わらず人々の合間を縫って必ず私の横を通る作間くん


だから顔を上げれば必然的に目も合うわけで



『おはよう作間くん』


「、おはよう」



あー声も可愛い

おはよう龍斗くんって！



なんか記憶改ざんしてない？

私、龍斗くんなんて呼んでない



昨日の声と笑った顔だけで3はいけたしな

よろしくね、龍斗くんって



また捏造した！
というか何がいけたんだ


いや危ない、考えないでおこう








作間くんから好意を向けられている事は勿論嬉しい
それはもう烏滸がましくて倒れそうなくらい


健気なラブコールを受け続け、気持ちが傾きそうな時もあった


けれど、勝手に心の声を聞いておいてなんだがそれ以上の仲になるのはとてもじゃないけど、


その、私の心身共に危ぶまれそうだから


それに、そもそも作間くんがどうして私を好きになったのかだって分からない


だからせめてお友達になれたらって



『ねぇ作間くん、昨日の数学で教えてほしいところがあるんだけど』


「…ん、どれ？」



横に鞄をかけた作間くんは座ることなく机から身を乗り出す


一瞬にして近付いた顔に緊張するのはきっと作間くんの顔が異常なまでに整っているからで





あ、作間くん意外とまつげ長い


て、まって何で私まで作間くんみたいなこと考えてるの
というかなんで何も言ってくれないの⁈


昨日話したばっかりなのに急に声かけたのまずかったのかな、なんて





やばい、やばいやばい



負の思考回路を強制的に遮る作間くん



Aさんに頼られてる、夢?

教えてほしい?数学って保健体育の略語だっけ



…断じて違うと思う



手取り足取り実技で

あー昨日見た優斗の本のせいで止まらない



さっきのドキドキを返してほしい！



『なんか急に分かったかも！ごめんありがとう！』



やっぱりお友達すら無理だ！！！





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