検索窓
今日:3 hit、昨日:3 hit、合計:228,842 hit

. ページ34







「気付いてたんだ」


「うん

だからこういうの、ダメだと思う」



掴まれたままの腕
誰に見られてるか分からないんだよ


これを見て悲しむ人が居るんだ









「わかった」



そう言って直ぐに離された腕は行き場を失った


諦め早い
やっぱりうみくんにとってもその程度だったって事だ


ダメだって自分に言い聞かせても
どこがで勝手に期待して、でもやっぱり理性が勝って


なのに、いざ突き放されると悲しくなるの


色々考え過ぎて頭痛くなりそう









「…っ、うみくん?」



離したはずの手はいつの間にか私の手に重なっていた
直で触れたうみくんの手はすごく冷たい



「やっぱ場所変える、

Aちゃん周りばっかり気にして俺の事ちゃんと考えてないでしょ」



手を繋いだままズカズカと歩いていくうみくん



「まって、どこ行くの」


「…俺の家
嫌なら、殴ってでも逃げれば」



うみくんはタクシーを呼び止めて
開いた扉の前で私が乗るのを待っている


逃す気なんて無いくせに


私がそんな事出来ないって分かってるくせに


見せ掛けの選択の余地を与えて来る









半ば強制的に乗ったタクシー


自分の意思の弱さにも狡さにもつくづく呆れる


というか、2回も乗っちゃったの流石に贅沢
やっぱりうみくんとは住む世界が違うんだ


うみくんが場所を伝えると
タクシーは私の家とは正反対の方向へと走り出した









雑音と共に薄ら聞こえるラジオの気象予報


相変わらずうみくんは黙ったまま



「…あ、ゆき」



車窓にポツポツと白い粒が付いては一瞬で溶けていった



「降ってきましたね〜
今夜がピークみたいですよ」


「そう、なんですか」


「積もらないと良いんですけどね」



私が呟いたのを皮切りに話し始める運転手


余程沈黙が嫌だったのかも


雪道運転は大変だの
雪の日はお客さんが多いだの


雑談程度に軽く聞き流した






▽2人の関係→←.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (385 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1111人がお気に入り
設定タグ:TravisJapan , 中村海人
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ゆうき(プロフ) - この作品が大好きでもう何回もよんでいます(;;)アフターストーリーの続きや新しい作品を是非書いていただきたいです!(;;)♡ (2023年1月31日 3時) (レス) @page43 id: 583352b4d8 (このIDを非表示/違反報告)
にぱたん(プロフ) - まさか本当に続編がみれるとは!!!!感謝です(^^) (2021年1月13日 22時) (レス) id: 31132576ac (このIDを非表示/違反報告)
来世は野崎が良い(プロフ) - うみちゃん大好きさん» 最後まで読んで頂きありがとうございます!まったりですが続きを書いていきたいと思います(^ ^) (2021年1月13日 18時) (レス) id: c4fad7458f (このIDを非表示/違反報告)
来世は野崎が良い(プロフ) - にぱたんさん» ありがとうございます(> <)話数の許す限りアフターストーリーを書いてみようと思います 笑 (2021年1月13日 18時) (レス) id: c4fad7458f (このIDを非表示/違反報告)
うみちゃん大好き - 毎回楽しみにしていました!!完結してしてしまって寂しいです(;_;)ぜひ続編をお願いします!!!!! (2021年1月13日 0時) (レス) id: 11000fae55 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:来世は野崎が良い | 作成日時:2020年12月23日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。