エンカウント

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最初は軽いノリだったはず
いつか会えたら良いね〜くらいの


だけどうみくんは大真面目だった様で
日時が決まって、お店が決まって


着々と確定していく予定に不安が押し寄せていた


怪しい人だったらどうしようというのも勿論だけど


もし、会ってみてガッカリされてしまったら
気まずくなって一緒にゲームが出来なくなってしまったら


なんて、身の危険よりもうみくんとの関係が失われる事の方が心配だった


それくらい私の中でうみくんの存在が大きくなっていたのだ









私が不安になっているのに通話越しのうみくんは呑気に笑っている



「明日、Aちゃんに会うの楽しみだな〜」


「ねぇそれ今日で３回目…あ、タゲ取りミスった」


「急に？！俺死んじゃうんだけど！」



宣言通りラスボスの一撃で倒れたうみくんのキャラクター


なんとか回復させようと近づいた自分まで倒されて、画面いっぱいにゲームオーバーの文字が表示されていた









キリが悪いって2人でムキになって
満足する頃にはやっぱり夜中の１時過ぎ


いつもだったら、もう１０分と言いつつ１時間プラスしてしまうけどオフ会のコンディションに響いたら嫌だと早めに切り上げた


うみくんの緩いおやすみを聞いて通話を切る


いつものゲーム用ボイスチャットではない


オフ会の為に、と交換したばかりのラインに表示された電話マークと通話時間を表す数字は
もう引き返せないと告げている様だった

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