エンカウント

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Kaito.N



無機質な音が通話終了を知らせた


思わず漏れた大きな溜息



「マジで意味わかんねー」



Aちゃんとの連絡が途絶えて焦って
それを察した海斗に連行された居酒屋


そんな時に来た ”話がある” ってメッセージ


話の内容が何なのか気にしていられないくらい
Aちゃんとまた話せる事に安心していた


他の奴だったら、後で連絡し直すけど
海斗に断りを入れてまで電話したのに


会えないし、連絡も取れないって何


俺なんかした？









「この前の子？」


「そう。……急に拒絶された」


「海人が何かしたんじゃないの」


「いや、何も心当たりない」



自分は肉食とまでは言わないけど、一度決めたら結構グイグイ行くタイプだと思ってる


そんな俺が少しずつ慎重に距離を縮めていったのに



「じゃあ面倒になったとか？」


「それは無い」


「何でそう言い切れんの」


「何でって、Aちゃんそういうタイプじゃないから」



一度しか会った事ないくせにって顔をする海斗


そりゃ会うまで顔も知らなかったけど
大学のお友達よりかはAちゃんの事を知っているつもりだ


Aちゃんの好きな物、嫌いな物から
前に飼ってたペットの名前、授業コマまで全部知ってる


毎日話して少しずつ覚えていった


それに、押しに弱い性格も


冷たい人ぶってるけど、本当は気にしいで
常に誰かを思って行動している優しい所も全部だ









だからこそ、突然こんなのおかしい


別に約束した訳じゃないけど、これだけ知ってんのに今更隠し事とか無しでしょ

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