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なんだかんだ好奇心の方が勝ってしまって
よく分からない未来からのメールをちゃんと読む事にした
次に来たメッセージもその次も、他のも全部
何処に行くな、とか
何々をするな、とか
禁止事項ばっかり
初めのうちは読むだけで実行には移さなかったけど
助言通りに行動しないと、必ずうみと桜子ちゃんが鉢合わせて
その統一感がやけに気持ち悪くてなるべく守るようにした
気が付けば初めてメッセージを受け取ってから2週間が経過していた
日課になりつつあるメールチェック
今日の朝届いたメール曰く
18時から雨が降るから部活には行くなって
そのくせ折り畳みを持って行って桜子ちゃんに渡せ、との事
今まで来た指示の中でダントツ意味が分からない
頭を悩ませたせいでまた遅刻ギリギリ
飛び乗った電車のドアの上
天気予報が大々的に雨を予告していた
こんな日に傘なんて普通忘れるか?
あれこれ考えて、結局パンク寸前で
いっその事頭を空にして学校まで歩く
表情まで無になりかけた瞬間、誰かに背中を叩かれた
この馬鹿みたいな力加減は1人しかいない
『うみ、痛いんだけど』
「何回も呼んでんのに無視するから」
『まじか、それはごめん
…あれ?うみ自転車は?』
私とまつくは電車通学だけど
うみとちゃかは家が近いからチャリ通だったはず
「今日雨降るって知らないの〜?」
天気予報見ろよって頬をつつきながら言ってくるうみ
いや、見たわ
うみでも知ってる事を良い子ちゃんの桜子ちゃんが知らない訳がない
今まで百発百中だったけど予知メールさんも間違える事あるんだ
そうなるとちょっと胡散臭さが増してくる
2週間も信じて騙されかけた私大丈夫か?
やば、将来壺とか買わされそう
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作者名:来世は野崎が良い | 作成日時:2021年1月24日 1時