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温い風が隙間から入り込み、私の頬を撫でまたどこかへ行った。
「じゃあ…それぞれ近くの人と意見や感想を話し合って下さい」
いつのまにやら、教師の読み聞かせは終わったらしい。
どっと騒がしくなる教室。真面目に教科書を題材とした会話をしている人は一握りもいるか定かではない。
かくいう私も何も聞いてなかったので、指名されたらまずいなぁとぺらぺら教科書を捲ってみる。
「…おい」
「んぇ、何？」
そもそも何を話し合うのだろう、と本末転倒の私が首をひねらせていれば、こちらは身体を半分ひねり何と私に話しかけていた。
なんということだろう！
まさか影浦くん、あんな姿勢で真面目に授業受けてたの？
ほとほと失礼な感想は口に出さず、代わりに腑抜けた声が鼻を抜けていく。
話しかけられるとは思っても寄らず、頬杖をついていた顔を上げる私に、数回迷う様に視線が泳ぐ。
「…やっぱいい」
「え、何、気になるじゃん。真面目に授業のお話でもする？」
「いや、何ひとつ聞いてねぇ」
「ふふ、私も。」
思わず頬が緩んでしまって、軽く握ったこぶしを口元にあて隠す。
でも当てられたらやばいよね、と意味もなく文字の羅列をなぞり、視線を右へ移した。
「村上くん、次当ててくると思う？」
「…出席番号辺り、来るんじゃないか？」
本来であれば教科書の題材について話さなければならないのに、優しい彼はちらりと黒板の日付を見て口角を緩めた。
昨今の教師陣は、何故生徒を指名するのに日付を足したり引いたり、時には掛けて数字を出してくるのだろうと思う。疑問が解けないまま３年生は終わりそうだ。
「あ、じゃぁ私セーフかも。影浦くんは？」
「ちげぇ。」
「じゃあ大丈夫だね。よかった、誰かが頑張ってくれるか」
よしよし。と一人で納得し、それで、何だったの？と再び首を傾げる。
まさかこの後、私が大層困るなんて思ってもいない。
だって未来が視える訳じゃないし。だから、全然構えてもいなかった。
「お前、俺に何か言いたい事あんのか」
「…エッ。」
食べられたいなんて、言える訳がない。
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み(プロフ) - Lunaさん» こちらにもｺﾒﾝﾄ頂きありがとうございます😍楽しんで頂けた様で嬉しいです😊💕 (2022年6月27日 14時) (
レス) id: aaa9f51a75 (このIDを非表示/違反報告)
Luna(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございます🥺💛もう、めっちゃ胸きゅんしました😳💕 (2022年6月27日 9時) (レス) @page21 id: acb6885805 (このIDを非表示/違反報告)
み(プロフ) - 弥生さん» ｺﾒありがとうございます！お楽しみ頂けた様でとても嬉しいです😍こちらこそご覧くださりありがとうございます💕 (2022年3月23日 16時) (レス) id: 30c85ed1cf (このIDを非表示/違反報告)
弥生(プロフ) - 最高です！ 素敵な作品をありがとうございます！ (2022年3月22日 13時) (レス) @page21 id: 342ddd2777 (このIDを非表示/違反報告)
Umi(プロフ) - 百舌鳥さん» わ〜！こちらこそご覧頂きありがとうございます！！彼のSEは確かに翻弄されちゃいそうですよね😌手のひらで転がされちゃうのもアリです😉💓 (2021年11月24日 17時) (レス) id: 266bb1a809 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：み
| 作成日時：2021年10月1日 9時
