119話 ページ24
盛り上がってきた試合によって会場のボルテージは最高潮になり、観客達は立ち上がって歓声を送っていた。
それに応えるように二人の戦いも灼熱していく。
先程から一転して曇天の中、雷の音を歓声がかき消していた。
「マズい…！」
出久が真剣な表情で呟く。
「え？ 何が？ 今ちょー良いとこよ。Aのハイキックが爆豪の顔面に命中！ バコンっつってたわ」
「こうして見ると、ホントアイツ怖ぇな」
「どっちのこと言ってんだ？」
上鳴、瀬呂、切島が、会場の二人を見ながら会話する。声音から少なからず興奮しているのが分かった。
一方、出久は暫く黙り込んでいたかと思うと、下を向いて「うーんそうか……いやでもな……うーん」と、悶々と何かを考え始める。
「どうしたんだい？ 緑谷くん」
飯田が聞いた。
「えっと……空が暗いんだ。小さいけど雷も鳴ってる」
「あっ、ほんまや」
麗日が空を見上げて呟く。
上鳴が「それがどうかしたのか？」と眉をひそめた。
「多分、空に今のAの状態が反映されてるんだ」
それぞれの驚きの声が響いた。
「昔、僕が高校生に殴られてボロボロになって家に帰ったことがあって、その日もこんな天気だった。Aが飛び出して行ったから、お母さんと後を追って……そしたらその高校生達をボッコボコにしてて」
「マジかよ……」
「結局、僕が殴られたのはAを呼び出すためだったんだけど……」
「…………マジかよ……」
出久は「恥をかいた報復にきたみたいで」と言って苦笑いを浮かべた。
「それで、その時は僕らが止められるような状態じゃなかったんだ。どうしようか戸惑ってたら、雨が一気に降り出して、Aは気絶した」
「……」
「今回もきっとそうなる。さっきは無意識だと思ったからマズいって言ったんだけど、Aのことだから分かってると思うんだ」
──────だから、多分、Aはもう勝つ気がない。
出久の言葉に、皆目を見開いて複雑そうな顔をした。そんな中出久は、会場で爆豪と殴り合うAを真っ直ぐな瞳で見つめる。
「(空が真っ暗だ……多分、そろそろ……)」
サーサーと霧雨が降り出した。
次の瞬間、Aがバタンと倒れる。
「緑谷さん行動不能！ 爆豪くんの勝利！！」
ミッドナイトはどこか不服そうにしている爆豪を押し退け、Aをロボットに乗せて保健室に行くよう指示した。
「ちょっと行ってくる！」
出久は、ノートを持って小走りで階段を上がって行った。
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シグマを襲いたい/// - しょしょ！！ショウガクセイ？！わわわわわわたしもデス………いいなあ！ぜひ文才わけ((( (2020年9月24日 22時) (
レス) id: d344c61285 (このIDを非表示/違反報告)
月見猫(プロフ) - 「約束から。」は「約束したから。」ではないでしょうか？ (2020年9月12日 23時) (レス) id: d7b6c8461a (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱぁん(プロフ) - いつも楽しみにしてます！ちょっと気になったので話させていただきたいのですが、死体は鬼が食べてしまうのでいないのは普通かも……？と思います！失礼しました！これからも楽しみにしてます！ (2020年8月25日 20時) (レス) id: 433180b790 (このIDを非表示/違反報告)
モダエミン(プロフ) - 続編おめでとうございまっす！続編楽しみにしていたので嬉しいですぃ！これからの物語がどうなるのかとても楽しみですぅ！更新頑張ってください！応援していますぅ！ (2020年8月19日 18時) (レス) id: 971db014c2 (このIDを非表示/違反報告)
月見猫(プロフ) - 続編おめでとうございます！これからも頑張ってください！ (2020年8月19日 18時) (レス) id: d7b6c8461a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：二見 | 作成日時：2020年8月19日 17時
