4話 ページ5
『へぇ、ヒーロー志望が死を強要すんだ？』
「ッ…！」
『んなら私もしていいよなァ？ このままじゃ平等じゃねェしー』
何時も爆豪の後ろに引っ付いている奴らはビクビクと肩を震わせている。
否震わせたいのはお兄ちゃんの方だろうが舐めてんのか？
「……何するつもりだ」
『はぁあ？ そんなん言ったら面白くねェだろ。何なら今ここで見せてやろうか』
指をポキポキと鳴らす。流石の爆豪も一瞬、顔を歪めた。
後ろの奴らは腰抜かして、今にも白目を向きそうだ。ったく此奴ら、雑魚い癖に大見得切りやがって。
「……悪かった。もう言わねぇから帰らせろ」
『あん？ 随分と上から目線だなこの野郎。頼む態度じゃ足りねェ、命乞いする態度示せよ』
爆豪は膝を折り曲げて床に正座し、無言で頭を下げた。命乞いを口にするまでは流石にプライドが許さねェんだろうな。私なら速攻蹴り飛ばすし。
『マジでテメェヒーローになりてェのか？』
爆豪の背中に足を乗せて、ガンガンと踏み付ける。我慢しているようだったが、その度に体がビクビクと震えている事に変わりはねェ。
「も、もう大丈夫だよ…！ A、帰ろう」
『でも……』
「大丈夫。大丈夫だから」
『……土下座、ねぇ…？』
顎に手を当て暫く考える。
此奴が反省するとは思えねェが、校舎内でボコるのはリスクが高ェ。
お兄ちゃんが言ってるし、見逃した方が良さそうだ。爆豪の後ろに隠れてる奴らは今にも泣き出しそうだし。爆豪も頭下げたままだし。だからと言って許す訳でもねェが。
『分かった。顔上げろ、爆豪』
少し声音を明るくして言うと、モブ共の瞳に光が戻る。爆豪も遠慮気味に顔を上げ始め、遂にはその全貌が現れた。
『土下座した事は認めてやる。が、私はお兄ちゃんに止められなきゃ、今頃お前を蹴り飛ばしてた』
「は…？」
『つまり、何が言いたいかと言うとなァ……』
下から私の顔を覗く無防備な顎を掴み、顔を上に向けさせる。爆豪は、一瞬の出来事に困惑している様子だった。
『私は何時でもテメェを再起不能に出来るってこっだ』
「ッ……」
『勿論、そこの雑魚二人も同様になァ』
「ﾋｯ……」
『そして……次同じ事言いやがったら命はねェぞ！ 何方にしろ腹括って出直してくるんだな！！』
半開きだったドアを豪快に開け、私は教室を後にした。
背後からお兄ちゃんが追って来る足音が聞こえていたが、今はそれよりも行くべき所があった。
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ライアミ - 緑谷のお父さんが火を吹いてお母さんが物を引き寄せるだと思います。設定の所です (2021年7月12日 7時) (
レス) id: e501354a5d (このIDを非表示/違反報告)
Kirari(プロフ) - ヒロアカ、あまりよく知らなかったんですけど、すごくおもしろいー！っておもって、はまっちゃいました！これからもがんばってください！ (2020年11月22日 13時) (レス) id: 659499b88d (このIDを非表示/違反報告)
ひすい(プロフ) - 読み終わりました！ご参加頂き誠に有難う御座いました (2020年8月26日 14時) (レス) id: 13e26514b2 (このIDを非表示/違反報告)
善(プロフ) - さねみとは出合せないのですか？ (2020年7月28日 21時) (レス) id: e2382ac4cf (このIDを非表示/違反報告)
青い蝶(プロフ) - こんにちは、すみません急に最後の会話なのですがそれは蛙水じゃなくて相澤先生のことを書きたかったのではないでしょうか？紛らわしいと思ってしまい、コメントさせていただきました。 (2020年7月26日 15時) (レス) id: 5063cf0137 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：二見 | 作成日時：2020年7月11日 16時
