26話 ページ27
「じゃ、Aも揃ったところで……」
イレイザーは教壇に立ち、何枚も重なった紙をピラピラと靡かせている。
そのまま「昨日の戦闘訓練お疲れ」と言い、話を始めた。
「Ｖと成績見せてもらった。爆豪、お前もうガキみてえなマネするな。能力あるんだから」
「……わかってる」
「で、緑谷はまた腕ブッ壊して一件落着か。個性の制御……いつまでも「出来ないから仕方ない」じゃ通さねえぞ。俺は同じ事を言うのが嫌いだ。
「っはい！」
……これ一人ずつ言われんのか？
でも、それにしては出席番号順じゃないから妙だよな。と考えていると、イレイザーは私の名前を呼んで「前に出て来い」と指を動かした。えっ、何か嫌な予感が……
「個性の使い方は良かった。が、初動が遅い！ 轟がビルを凍らしてくる予測が出来ていたのなら、それを防ぐべきだった。お前なら出来ただろ」
『……ですね』
「そして……"何故最初から全力でいかなかった"？ もし障子がサポートに回っていたとしたら、あの時点で拘束される事も考えられる。二回とも、一発でいけた筈だ」
『……はい』
「お前は人の行動を良く見ている。記憶力もいい筈だ。あれが"最善"だったと思うな！ ……その他は上出来だ」
一番長いお説教。でも、今回の戦闘訓練で私は褒められるばかりだった。……だからなのかもな。
初動が遅かったのは、全力で行く気がなかったからだ。そして全力で行かなかったのは、勝てばいいと思っていたからだ。それを見越しての"最善"という言葉だろう。
「落ち込む必要ないぜ！ 俺らの講評じゃ、いい所しか上がってなかった。オールマイトも褒めっぱだったからな」
『……だからだろ』
「えっ？」
『講評には居なかったから知らねェけど、評価されたのは"轟の氷を即座に溶かす技術"とか"近接戦闘の慣れ"とかだろ？ 狙ってやってるから分かるんだよ』
「成程！ 本番じゃそうはいかねーって事か。気絶させて勝ちじゃないもんなー」
『あぁ。……つーか、お前だれ？』
右側の斜め前から体を乗り出して話しかけて来た此奴。
普通だ。とても普通だ。
疑問の目を向けながら聞くと、ひでぇと言いながら「瀬呂範太」だと教えてくれた。名前まんまじゃねェか。
私達が話し終わるのを待っていてくれたのか、イレイザーは瀬呂が席に座り直したのを確認すると再び話し始めた。
「さて、ＨＰの本題だ。急で悪いが、今日は君らに……」
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ライアミ - 緑谷のお父さんが火を吹いてお母さんが物を引き寄せるだと思います。設定の所です (2021年7月12日 7時) (
レス) id: e501354a5d (このIDを非表示/違反報告)
Kirari(プロフ) - ヒロアカ、あまりよく知らなかったんですけど、すごくおもしろいー！っておもって、はまっちゃいました！これからもがんばってください！ (2020年11月22日 13時) (レス) id: 659499b88d (このIDを非表示/違反報告)
ひすい(プロフ) - 読み終わりました！ご参加頂き誠に有難う御座いました (2020年8月26日 14時) (レス) id: 13e26514b2 (このIDを非表示/違反報告)
善(プロフ) - さねみとは出合せないのですか？ (2020年7月28日 21時) (レス) id: e2382ac4cf (このIDを非表示/違反報告)
青い蝶(プロフ) - こんにちは、すみません急に最後の会話なのですがそれは蛙水じゃなくて相澤先生のことを書きたかったのではないでしょうか？紛らわしいと思ってしまい、コメントさせていただきました。 (2020年7月26日 15時) (レス) id: 5063cf0137 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：二見 | 作成日時：2020年7月11日 16時
