24話 ページ25
──────放課後
初のヒーロー基礎学が終わり、やっと教室に戻って来た。講評から抜け出す序に轟の様子を見に行ったが、何か腹立つ奴だった。
一人でムカつきながらカバンに荷物を投げ込んでいると、後ろから足音が聞こえてくる。
反射で振り向くと、赤い髪の奴と全体がピンクの奴。あとたらこ唇の奴が興奮した様子で私を見ていた。
「おめー凄ぇな！！」
「今から反省会するよ！！」
『……誰だお前ら』
私が思わずそう言うと、興奮している奴らはガクッと崩れ落ちた。全員揃ってコントでもしてんのかよ。
そいつらの動きに興味を持ったのか、周りも集まって来る。
「俺ぁ、切島鋭児郎！ よろしくな！」
「私、芦戸三奈！ 蹴りかっこよかったよー！」
「俺！ 佐藤」
『切島と芦戸と佐藤な。退け』
そう言いながらカバンを閉めて椅子を入れると、切島と名乗った男が必死に私を止めてきた。
他の奴らも私が帰ろうとしていることに気付いたのか、切島に応戦する奴らが倍増。仕方なく諦めてカバンを置くと、皆離れて行った。多対一って卑怯だろ。
『でー？ 反省会だっけ？』
「おう」
『自分で考えてから客観的な意見もらった方が良いだろ。明日にしようぜ、明日に。帰りてェ』
「……登校初日から思ってたけど、お前ってクズ？」
『あ"！？ 思っても言っていい事と悪い事があんだろ』
「自覚してんだな。なら良いぜ」
何が良いんだよ。
帰る方法を考えていると、一つ前の席の勝己が立ち上がり帰ろうとしていた。おい待て私を置いて行くな異端者！
「反省する気ねぇ奴が反省会に参加しても意味ねぇだろ」
『よし、つまりそう言う事だ。私らは帰るぜー』
言葉で止めようとしてくる奴は居たが、誰も追い掛けては来なかった。校舎を出るまで勝己は何も話さなかったが、あと少しで校門だと言うときに「お前は……」と口を開く。
「かっちゃん！！！」
「ああ？」
勝己の言葉は、お兄ちゃんの声によって遮られた。そのお兄ちゃんの顔を見て真剣な話だと察した私は、立ち止まった勝己を置いて歩き出した。
「ッ、おいA！」
『話なら明日聞いてやるよ。言っただろ？ 自分で考えてから、客観的な意見もらえって』
「……わーったよ」
返事の声は、とても小さな声だった。風が吹く音にすら消されてしまいそうな程に。
その小さな声を聞き取った私は、それ程勝己を気にしていたのだろうか。今の私には、まだ分からなかった。
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ライアミ - 緑谷のお父さんが火を吹いてお母さんが物を引き寄せるだと思います。設定の所です (2021年7月12日 7時) (
レス) id: e501354a5d (このIDを非表示/違反報告)
Kirari(プロフ) - ヒロアカ、あまりよく知らなかったんですけど、すごくおもしろいー！っておもって、はまっちゃいました！これからもがんばってください！ (2020年11月22日 13時) (レス) id: 659499b88d (このIDを非表示/違反報告)
ひすい(プロフ) - 読み終わりました！ご参加頂き誠に有難う御座いました (2020年8月26日 14時) (レス) id: 13e26514b2 (このIDを非表示/違反報告)
善(プロフ) - さねみとは出合せないのですか？ (2020年7月28日 21時) (レス) id: e2382ac4cf (このIDを非表示/違反報告)
青い蝶(プロフ) - こんにちは、すみません急に最後の会話なのですがそれは蛙水じゃなくて相澤先生のことを書きたかったのではないでしょうか？紛らわしいと思ってしまい、コメントさせていただきました。 (2020年7月26日 15時) (レス) id: 5063cf0137 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：二見 | 作成日時：2020年7月11日 16時
