17話 ページ18
『ゴロ良く行こう！』
握力で"苦死"を引き当ててしまった私は、もう忌み数を出さないよう尽力していた。てか何なら、死苦にしろや！
死苦が一般的だろうが！
そして今は、第三種目と第四種目が終了して第五種目を行っている。何気に、爆豪がいい結果ばっか出して苛立ってる。この種目で圧倒的に差ァ付けてやるぜ！！
「おーい、次お前だぞ。並ばねーの？」
『あー、はいはい。分かった分かった』
「順番教えてあげたのに面倒くさがられたんだけど」
『黙れ金髪。熱々のたこ焼きに乗せるぞ』
「俺、金箔じゃねぇよ！！？」
何だこのアホそうな奴。
初めての会話がボケと突っ込みだっただけあって、流れ的に自己紹介をした。こいつはイレギュラーだ。
自己紹介してから僅か数秒で握手を求めてくるな渦虫。
忘れんなよ、お前の第一印象はアホそうな奴だからな。
「緑谷くんはこのままだとマズいぞ…？」
「ったりめーだ、無個性のザコだぞ！」
「無個性！？ 彼が入試時に何を成したか知らんのか！？」
「は？」
私が次に並ぶ順番って事は、今からやるのはお兄ちゃんって事だ。爆豪が石灰の円の中に入って行くお兄ちゃんを指差さしてるし。
お兄ちゃんは振りかぶってボールを投げたが、ボールは４６ｍ地点に落下した。お兄ちゃん含め周りも困惑していると、担任は「個性を消した」と衝撃発言。
担任の首に巻いていた布は、ふわりと浮き上がっていた。
「つくづくあの入試は……合理性に欠くよ。お前のような奴も入学出来てしまう」
「消した…！！ あのゴーグル……そうか…！ 抹消ヒーロー・イレイザーヘッド！！！」
視ただけで人の個性を抹消する個性。
お兄ちゃんがヒーロー名を叫ぶと、周りの奴は「知らない」「名前だけは見たことある」と言い出す。
私も知らねェ。それより、やっとヒーロー名聞けたわ。
「見たとこ……個性を制御できないんだろ？ また行動不能になって、誰かに助けてもらうつもりだったか？」
「えっ、そんなつもりじゃ……」
「どういうつもりでも、周りはそうせざるを得なくなるって話だ」
布でお兄ちゃんの体を引き寄せ、何やら話している。最初の方は聞こえたけど最後は聞こえなかった。私にはただ、お兄ちゃんが口元を強く結んだのが見てただけだった。
「個性は戻した……ボール投げは２回だ。とっとと済ませな」
イレイザーがそう言うと、お兄ちゃんはブツブツと何かを呟きながら円の中に戻って行く。
私は後ろに並んで、その姿を見つめていた。
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ライアミ - 緑谷のお父さんが火を吹いてお母さんが物を引き寄せるだと思います。設定の所です (2021年7月12日 7時) (
レス) id: e501354a5d (このIDを非表示/違反報告)
Kirari(プロフ) - ヒロアカ、あまりよく知らなかったんですけど、すごくおもしろいー！っておもって、はまっちゃいました！これからもがんばってください！ (2020年11月22日 13時) (レス) id: 659499b88d (このIDを非表示/違反報告)
ひすい(プロフ) - 読み終わりました！ご参加頂き誠に有難う御座いました (2020年8月26日 14時) (レス) id: 13e26514b2 (このIDを非表示/違反報告)
善(プロフ) - さねみとは出合せないのですか？ (2020年7月28日 21時) (レス) id: e2382ac4cf (このIDを非表示/違反報告)
青い蝶(プロフ) - こんにちは、すみません急に最後の会話なのですがそれは蛙水じゃなくて相澤先生のことを書きたかったのではないでしょうか？紛らわしいと思ってしまい、コメントさせていただきました。 (2020年7月26日 15時) (レス) id: 5063cf0137 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：二見 | 作成日時：2020年7月11日 16時
