強く願えば、手が届くと思ってた【HS】 ページ5
「俺に、しといてよぉ…」
酔っ払いほどタチの悪いもの、ないんだって。
後ろからほぼバックハグのしなだれ具合で、私に懐く熱い体。
誰なの？ホソクをこんなに酔わせたのは、てぐるりとメンバー見回したけど、みんな首を振って自分じゃないってアピールしてくる。
つまり、自分で調子に乗ったのね。
うにゃうにゃしながら懐いてくる腕ちょっと掴んで、無言で引き摺るようにして、送迎の車まで無理やり歩かせた。
マネージャー業務も、もうずいぶん長くなるから、メンバーとは適度な距離を自然と取れるようになったけど、ホソクは酔って限界越えるとその距離ぽーんと超えてしまう。
後部座席のドア開けて閉めて、押しやるようにシートに押し除けたら、当たり前みたいに掴まれて抱きしめられた。
首のとこにホソクの高い鼻が、
熱い唇が鎖骨のところに当たってる。
あ、ダメって思った途端、そこをキツく吸いつかれた。
電流流されたみたいに、ビリッと走る快感に体が震えて、力が抜けそうなる。
やめなさい、て諭そうと胸の間に腕捩じ込んだら、そのまま背中を抱かれて、動けなくなった。
やばい、て青ざめる私の首筋舐め上げる舌に、体が勝手に熱くなる。
ホソク、て非難の声は唇の中に消えた。
強引で、乱雑で、でも私の性感探すような舌の動きに、やめさせなきゃって思うのに、ほんとに酔ってた？て思うくらい強く抱いてる腕が身じろぎ一つさせてくれない。
結婚する、てメンバーに伝えたのはついこの間。
その時、わかりやすいくらいショックを受けた顔して、傷ついた目で私を見たホソクには、今年入って何故だか急に、ずっと好きだと言われ続けてた。
あんまり言うから、私はマネージャーなんだからそんな関係無理だって断ったら、仕事が理由なら、それがなければ受け入れてるってことじゃない？て、切返し。
咄嗟に言葉を返せなかったのが、その返事。
でも悩んで、悩んだ末に出した結論が、元々実家に言われてた見合いを受けて、そのまま婚約してしまうこと、だった。
「なんで、俺じゃないの」
暗い車の中、私の頬に触れてるホソクの頬が、濡れてる。
鼻声で震えた懇願に、絆されそうになる。
でもだめだ。
ねえ、ホソク。
君たちまだまだこれからなんだよ。
私みたいな石ころに、躓いちゃったらダメなんだって。
こんなこと…今日だけのことにしてくれるなら。
今夜だけ。
あなたのものに、なってもいいよ。
側にいるのが当たり前なんだから、今更離れようとするなんて無しだよ【TH】→←それをきっかけにしてなし崩しってのが、お互いに1番スムーズなんじゃない？【JN】
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作者名：フネ55
| 作成日時：2024年1月6日 13時
