君しかいない、に憧れてたら本当に出会ってしまったわけで【NJ】 ページ3
「だから、俺にしませんか?」
滔々と、なっがい説明の後に差し出された手を、どうして掴んでしまったのかな。
お互い旅行者で、ほとんど初対面だったけど、すごく気が合って話し込んで、食事でもってそのまま夜まで過ごしてしまった。
裸の肩が今更少し気恥ずかしくて、着替えようかと起き上がりかけた私に、ナムジュンさんは急に自分の今回の旅行の話をし始めて。
地位も名誉もあるけど、愛だけ上手くいかなくて、国内ではもう無理かもしれないなって思ったから出会旅行のつもりで旅に出たって。
世界各国回って、いろんな出会いがあったけど、こんなに楽しく過ごしたのは初めてだって。
探したからこそわかる、この出会いが稀有なこと。
わたしを逃せば、
もう次はないと思うって。
そんなこと真顔で言った。
「だから、あなたも。俺にしときませんか?」
私は別に、まだ恋人になるかも定かじゃないこの人と、そんなる大それた関係になるつもりは全くなかったんだけど。
いつもなら、こんな昨日今日あったような男性と、こんな危ないことしない。
誠意と愛をちゃんと感じたから、身を委ねたのは間違いない。
ただ、人となり以外は本当にこの人の素性知らないのに、わたし。
この手を取るしか、考えてない。
差し出された手に手を重ねて、するりと胸に寄り添ったら、思いの外高い鼓動が内側からどんどんと胸を叩いていたのを聞いて。
どうしようもない愛しさと、
安堵と、
嬉しさで胸が一杯になった。
それをきっかけにしてなし崩しってのが、お互いに1番スムーズなんじゃない?【JN】→←あらゆる手段で邪魔をして、選択肢は一つにしといた後の話【JM】
229人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:フネ55 | 作成日時:2024年1月6日 13時