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果実が熟れて落ちるのを、ただ待ってるだけ【YG】 ページ1

「俺にしとけ」



もう何回、言われたかわからない。



でも素直にうんって言えないのは、与えられる熱があんまり快くて、喉から出る音全部言葉にならないから。

答えたいって思うたび、荒っぽくキスが降ってきて、舌ごと言葉が食べられてしまうから。

私があの人のことを思って泣くのを止めないくせに、私にその手を取れって誘うくせに。



「なあ、俺にしとけ?」



うんって、首を振ったのか、それとも揺さぶられて首が揺れただけなのか。

真実を知ってるのは私だけってことにして。

あの人のところに帰る私を許すから、私はまたこの部屋から出て行かなきゃいけない。



ねえ、ユンギ。



私が欲しいなら、奪えばいいのに。

私がそうされたいの、わかってるくせに。



私の方からあなたを本気で奪いに来ないなら、私のものになってくれないなんて。



ずるいのは私?



それとも、あなた?

あらゆる手段で邪魔をして、選択肢は一つにしといた後の話【JM】→



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作者名:フネ55 | 作成日時:2024年1月6日 13時

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