幸せ、探しました。【妖怪ウォッチ】

帰ってきて欲しかった ページ17

不思議な夢を見た。

幸せそうな男女の夢。

女の人は大きなお腹をさすりながら、お店の用具売り場で哺乳瓶や服を見ていた。

まだ服は早いよ。性別も分からないのに。

男の人に言われて笑う女の人。

とても幸せそうな、家族の風景。



次は知っている風景だった。

家の近くの坂道。女の人はゆっくりと歩く。お腹の赤ちゃんに支障がないように、気をつけて。




歩いていた筈、だった。






気づけば大きな地蔵と小さい地蔵がたてられていた。

事故の原因はオートバイとの衝突。2つの命は、此処で消えた。


でも、お腹にいた筈の、赤ちゃんがいない。

#どこにいるの。#

女の人はそこで何年も赤ちゃんを待った。

#いつか帰ってくる。私はあの子の顔さえ見ていないのよ。会いたい。#

地蔵が道路開発のため取り壊された。

#じゆウになったあタしは、帰ってこないあの子を探して歩いた。

ずっと、ず*と、足が棒のヨうになっても、あの子がドコかで泣いテルかラ。オ母さん、って呼んデるかラ。#

でも、貴方の赤ちゃんは、いないわ。

聞こえてた筈だ。でも、会うために。

抱き締める為に。


此処に留まる為に、たくさんの魂を取り込みながら。人格を無くし、人の形も無くなりかけながら。



ある日、光を見つけた。

暖かい、無垢な真っ白な光。

#あの光がホシい。あのヒ*リを食べれば、キットあのコは帰*テく*。お母さ*だと判ッテク*るワ！#




そう思って、手をのばした。

#どうあがいたって、**だったのニネ#

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