逢魔とおいかけっこ ページ14
もうすでに辺りが暗くなりはじめている。もうちょっと待って、お願いだから。
息は絶え絶えで疲れたけれど、もう無理だけど、走らないと、追いつかれる。
ペタッ、ペタン。
水みたいな、だけど若干耳障りなその音は暗くなるにつれて速度を増していくのがすぐ理解できた。
日が完全に落ちて、夜になれば捕まってしまう!
そう直感的に思った。
周りには人や犬猫もいない、カチカチと電柱のライトが点滅し始めた。心なしか視界が縦横に揺れる。
それでも逃げなくちゃ。足が棒のようになっても、走らなきゃ。コマさん達の所に、帰らなきゃ。
よくテレビで見る、ライオンやチーターに追いかけられる草食動物はきっとこう思ってるんだろう。
生きたい、助かりたい!!って。
カーブにさしかかった。もう辺りは暗い。やっぱりおかしいよ。何で誰もいないの。不安がふつふつと沸き上がる。
さっきから冷や汗なのか暑さでの汗なのか曖昧な汗が背中をぬらす。
だけどあとちょっと、このカーブを曲がって、その先の十字路を真っ直ぐ行けば、家が見える!
フワッ
何かにつまずき宙に浮く。
ドンッ!
それから全身にかかる衝撃。
A「...いたっ!」
転んだんだ。すぐに分かった。
ヤバい。さっと急速に体温が冷える。
立って、逃げないと。
立ち上がろうとした。
でも体が動かない。大きな石がのしかかっているみたい。
頭だけは動かせたから、地面を確認する。地面はアスファルト。そういえばここは最近整備された所だ。大きなへこみやでっぱった所は直っているはず。
...じゃあ私は何につまずいて転んだの?
恐る恐る後ろを向く。恐怖より理由解明の好奇心のほうが勝った。
何もない。暗がりの闇。
ただ見えたのは、ライトの照らされたにゆらゆら揺れコッチに来る影。
...来る。
幸いカーブで相手の姿は見えず陽炎の様な影だけ。
だけどコレがよくない状況だってことは小さい私でも分かる。
ペタッ、ペタン。
逃げないと。
恐怖が電流のように私の体を駆け巡る。
ペタッ、ペタン。
お願い、動いて。
音は近づいてくる。
ペタッ、ペタン。
お願いっ!動いてよ!
手が震えている。怖い。
ペタッ、ペタン。
お願いだから …!!
もう、すぐそこにい
ペタン。
うしろに、いる。
ーーー
ホラーもどきを書くときが私が一番生き生きとする瞬間かもしれない。←
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かまぼこうどん(プロフ) - ぽよよ☆さん» ヤンデレふぶき姫かわいい(手遅れ)作者がマック好きなのでたくさん絡ませたいですね(笑)これからもよろしくお願いします...! (2017年1月15日 12時) (レス) id: be0763fab5 (このIDを非表示/違反報告)
ぽよよ☆(プロフ) - ふぶき姫ちゃんがヤンデレに…!?マッくんとの関係はどうなるのか!そして烏天狗さん神隠しはシャレにならんて!!続き楽しみです…! (2017年1月9日 18時) (レス) id: 1c070c9504 (このIDを非表示/違反報告)
かまぼこうどん - はい!(*゚∀゚*)頑張ります!ありがとうございます〜!! (2016年12月25日 9時) (レス) id: 9b6b569fc3 (このIDを非表示/違反報告)
葡萄マスカット - 夢主ちゃんの飛行機デビュー…!!楽しみです!頑張ってください! (2016年12月25日 0時) (レス) id: 61468344c7 (このIDを非表示/違反報告)
かまぼこうどん - 大丈夫っす!気にしないでー(*`∀´*)ノシ (2016年10月5日 21時) (レス) id: 082809ecf5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かまぼこうどん | 作成日時:2016年2月3日 22時