逢いに彷う ページ13
「神田さん、ご苦労様。これで全員かな?」
「多分全員だと思います。確認しますね」
薬品の匂いがする理科室、自由研究を出し忘れたクラスメイト(主に男子)がやっと出してくれた自由研究と今まで集まった物を集めて、名簿に写す。
うん。全員いる。
「これでクラスメイト全員揃ったね。...もうこんな時間か。」
理科の先生は時計を見る。もう夕方だ、最近日が落ちるのが早くなったのかな?
A「じゃあそろそろ帰らないと」
理「そうした方がいい。...神田さんは、"逢魔が時"って知ってる?」
A「?なんですかそれ?」
先生がにこりと笑う。あっ、これはいけないやつだ。
理「"逢魔が時"、"時を刻"とも言うこの時間、昼には出てこなかった魔物や、眠っていた不穏な空気が目を覚ます時刻の事を言う。昼と夜が交代して闇の住人が最も多く出てくる時間帯」
先生の鋭い目がこちらを向く。背筋に冷たい汗が流れ落ちるのが分かった。
理「...今もこの瞬間、ニンゲンとは関わる事のない異形の者たちが寝床から這い出してるかもね。下校するときは、気を付けなよ?」
小さい子供が大好きな、怖い奴らは沢山いるから。
A「...帰りますっ!!!!」
瞬間、私は理科室から逃げ出すように出た。理科の先生が怖い、だって自分の心を見透かされた感じがする。
夕焼けが廊下全体をオレンジ色に染めていた。誰もいない廊下の奥から何か出てくる気がして怖い。
帰りたい。今すぐ帰りたい。
全速力で下駄箱に行って、靴をはきかえる。
先生のせいだ。何でこのタイミングであんなことっ!
先生がソウイウ物を信じてる事は知ってる。いつも理科の授業で時間が余ったらそういう話をよくするから。でも私は身近にコマさんやゆきおんな、ジバニャンやウィスパーがいるけど、怖いって感じた事はない。コマさんに迎えに来てもらおうか。...ああ無理だ!メダルは家に保管してあるんだった!これじゃ妖怪ウォッチつけてる意味ないじゃんかああああああ。
一人コントをしてる間も外は徐々に暗い影がさしていく。このまま家に帰らず夜までいたら私はどうなるんだろうか。さっと不安がよぎる。
とにかく走って帰ろう。
校庭のど真ん中を徒競走みたく突っ走る私の心の中は、赤いランプが点灯していた。
(気のせい、気のせい、怖いのは先生に話をされたから)
(そう、気のせいって思わなきゃ)
(私の後ろから足音がしてるって思うのも、絶対気のせいに決まってる)
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かまぼこうどん(プロフ) - ぽよよ☆さん» ヤンデレふぶき姫かわいい(手遅れ)作者がマック好きなのでたくさん絡ませたいですね(笑)これからもよろしくお願いします...! (2017年1月15日 12時) (レス) id: be0763fab5 (このIDを非表示/違反報告)
ぽよよ☆(プロフ) - ふぶき姫ちゃんがヤンデレに…!?マッくんとの関係はどうなるのか!そして烏天狗さん神隠しはシャレにならんて!!続き楽しみです…! (2017年1月9日 18時) (レス) id: 1c070c9504 (このIDを非表示/違反報告)
かまぼこうどん - はい!(*゚∀゚*)頑張ります!ありがとうございます〜!! (2016年12月25日 9時) (レス) id: 9b6b569fc3 (このIDを非表示/違反報告)
葡萄マスカット - 夢主ちゃんの飛行機デビュー…!!楽しみです!頑張ってください! (2016年12月25日 0時) (レス) id: 61468344c7 (このIDを非表示/違反報告)
かまぼこうどん - 大丈夫っす!気にしないでー(*`∀´*)ノシ (2016年10月5日 21時) (レス) id: 082809ecf5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かまぼこうどん | 作成日時:2016年2月3日 22時