4. 生徒たち ページ7
虎「せんせー、よくそんなんで着いて行ったね」
『ついて行ったというか、半分拉致られたというか。あの瞬間移動で連れてこられたら。ねぇ』
釘「だとしてもよ。ここで先生をする決断までしちゃっているのだから」
『まぁ、五条さんにボールペン握らされて その場で契約書に署名させられたから』
うわぁ、という声が重なって、
五条さんに生徒3人のジト目が向けられる。
五「待って。ちゃんと合意の上だったよね?ね?」
『なかなか強引でしたが。でも、この場に居れるきっかけを与えてくださって感謝しています』
この五条さん というのが、あの時私の教師に誘ってくれた彼だ。いつも目隠しをしていて、相変わらず異様な雰囲気。
そして、共に会話している3人は、呪術交戦 1年生の生徒たち。虎杖悠仁 伏黒恵 釘崎野薔薇 だ。
国数英 等の 一般授業 の座学がある日には、私が教壇に立って授業をする。
私がここの教員になって早2ヶ月。順風満帆な日々を送っている。
五「僕があの時拾ってあげなかったら 君就職先も見つからず大変だっただろうねぇ」
『拾うとか捨て猫みたいな言い方やめてくださいよ』
相手の言葉にムッとしながらも、事実ではある。
彼は私の恩人だ。
五「でも、僕も吃驚したな。 まぁ、今までの座学担当がヨボヨボおじいちゃん先生だったし、ちょうど良かった。助かったよ〜」
『縋れるものには縋りたい気持ちだったんです。あの時と言えば 五条さん。今や安定の黒ずくめ目隠しは 初対面には怖かったですよ。変質者みたいで』
五「僕が顔を披露したら、
『えぇ。六眼の方がおまけなんですか』
たわいのない会話をして笑い合う、この空間が好きだ。
高専の人はみんないい人で、すごく居心地がいい。
今日は 私がここの教師になったきっかけを、授業終わりに生徒たちに尋ねられ、始まった昔話。
と言ってもまだ数ヶ月前の話だったね。
突然、五条さんのスマホに着信音がなる。
五条さんはそれに面倒くさそうに出れば、軽く文句を放った。
電話の相手が可哀想だ。
彼のその様子だと、相手は補佐官の伊地知さんだろうか。
電話が終われば、五条さんは生徒たちに向き直る。
五「長話しちゃったね。さ、僕引率の任務へ行こうか」
喝を入れるようにそういえば、生徒たちは頷いた。
私は教室に残り、彼らを送り出したのだった。
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作者名:あまね | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/easye1/
作成日時:2023年9月19日 21時