検索窓
今日:1 hit、昨日:6 hit、合計:7,671 hit

ページ5




『はい?』


思いもよらなかった話に、思わず少々強気に言葉を返してしまった。


「いい話だと思うんだけどねぇ。このままじゃ君就職やばいでしょ?」

『えぇ、否定は出来ませんね』

「でしょ。君は就職先が見つかってハッピー。うちは求めていた枠が来てくれてハッピー。はい両者幸せハッピー、もう決定だよねコレ」


急展開についていけず、ぽかんと相手を見つめる。


「沈黙は決定!って事で、荷物まとめて早く行くよ」


そう言って彼は、元書類 今や 紙切れ となったぐちゃぐちゃの物を集めるのを手伝ってくれ、ボロボロの私のカバンに詰め込んで、私の手に持たせた。


『待ってください!私まだ決めてないんですが』

「まぁまぁまぁ」


彼は私の話を聞き入れようとはしてくれない。


「じゃ、行こうか」


なんて言って、彼は 呆然と立ち止まる私の隣に並んだ。

そして、ちょっと失礼〜 なんて呟き。
私の腰に手を回され 強く抱き寄せられた。





一瞬強い風を感じて、反射的に目をつぶる。


抵抗する暇もなく 相手の手が離された。

なんだったのだ、と目を開ければ。


眩しい。

風景が変わっている。



さっきの暗い 細い路地とは一変して、
空の広さがよく感じられる 空気が澄んだ場所だ。


近くには森があって、目の前には 東京都立呪術高専 の看板を掲げた門があった。

学校名の珍しさに少し驚いた。呪術 だなんて。


今はそれよりも、先へ行こうとする彼を引き止め 問う。



『今の。貴方何者ですか。いや、私が夢を見ているのでしょうか』

「えー、夢じゃないよ。あれはね、僕の術式を応用したもの」


術式?
説明されたようで、返答にはなっていない。

理解出来ず彼に問い返すも、これ以上まともな説明は帰ってこなかった。


「ささっ、学長に会いに行くよ〜」

『待ってください。私決めてないです!そもそも、ここ高専ですよね?私 大丈夫なんですか?』

「大丈夫 大丈夫。ほら行くよ」


私の話をまともに聞いてはくれず、彼は私の背中を押して門をくぐって中に入る。

結局私は、彼に従って先を進むことにした。




呪術高専 の敷地内はとても広くて、普段 生徒が座学を受けるという建物は木製の古びた校舎だった。


私が通された先は、夜蛾学長 という 黒いサングラスをかけた厳つめの男性がいる部屋。



そこからあれよあれよと言う間に、
私は 東京都立呪術高専 の教員として働くこととなった。

設定→←3. 教師



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (31 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
136人がお気に入り
設定タグ:呪術廻戦 , 五条悟
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あまね | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/easye1/  
作成日時:2023年9月19日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。