続 ページ2
続
あの時、別ルートを探さなかった自分に酷く後悔をしている。
今私は、黒い 大きな虫みたいな うようよとしたあの 生物 の類に 追いかけられている。
事の発端は そう。路地裏を通ったこと。
ある程度進んだところで、謎の生物に出会ってしまった。バッチリと目が合い、認識をしてしまった瞬間、奴が奇声を上げながら追いかけてくるのだ。
私は咄嗟に引き返して走って戻るも、なかなか出口にたどり着かない。
それどころか、何故か道が2つ3つと枝分かれしていくのだ。さっき来た時にはそんなものはなかったのに。
でも、立ち止まれば 謎の生物に捕まってしまう。
我武者羅に走って、たどり着いた先は。
行き止まり。
ダメだ。捕まってしまう。
持っていたカバンを 生物 に投げつけて対抗するも、奴は怯んでも直ぐに向かってきた。
投げた拍子に カバンが開いて、中の書類が辺りに散乱する。
打つ手もなく、壁際まで体を寄せて、少しでも生物から遠ざかる。どれだけ足掻いても、黒い 謎の生物は 私にじりじりと距離を詰めてくる。
タヒを覚悟して ぎゅっと目をつぶる。
間際って 意外と何も思い返すことは無いんだな と呑気なことが頭をよぎった。
生物の 唸り声が 近くなった。
その時、
「危なかったね〜。君、大丈夫?」
目の前の唸り声が消えると共に。
どこからか低い 男の人の声がしたのだった。
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作者名:あまね | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/easye1/
作成日時:2023年9月19日 21時