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『あれ、1年ちゃん達なーにしてんの』
任務が一段落して高専に着き。少し用があるのと、1人で報告所をまとめられる場所を探して、1年生の教室を目指すも、中から聞こえてくる声に少し驚いた。
今の時間は授業があるわけでもないが、中を覗くと。
五条くん、夏油くん、家入ちゃんの3人が揃って椅子や机に座り、雑談をしている様子。
声をかければ、3人の視線がこちらを向いた。
家「あ、せんせーだ。お疲れー」
夏「お疲れ様です。任務終わりですか?」
五「疲れ顔見え見えだぞ。シワが増えた?」
労いの言葉をかけてくれる2人とは変わって、少し癪なことを言われ顔がひきつりそうになる。
特にムキに反論することもせず流し、教室の中に入った。
『なになにみんなで恋バナ?きゃー 私も混ぜて』
巫山戯た声色でそう言えば、冷めた反応が帰ってくる。
家「違うよ。てきとーに時間潰してただけ」
『なーんだ、恋愛相談されたかったのにな』
ちぇ ちぇ とあからさまな対応をすれば、余計に呆れられた気がする。
五「オマエ恋愛したことあんの」
『失礼な。私だって恋愛の一つや二つ。もはや同時進行で』
夏「え、本当ですか。それ浮気」
家「先生サイテー」
『まぁ。大人の女だからねぇ。関係があった男の数なんてもう…』
もったいぶって指を使って数える素振りをする。右手から左手。2回往復して指折り数えて。まぁ本当は
五「0なんだろ。見栄はんな」
『…おかしいな。本当に0だ』
オチを言う前に五条くんに取られてしまい、少し不服だ。それ以上に、恋愛経験ゼロを見破られて悔しいような、複雑な気持ちだ。
下手なオチにも関わらず、夏油くんと家入ちゃんはノリよくガックリとしてくれた。
家「なーんだ。恋愛相談あったとしても、先生にはしないでいよっと」
『えぇ、恋愛相談してよー。恋バナして。聞きたいな』
夏「A先生 モテないのは意外ですね」
五「いや。理由は明白。よーく分かるね」
夏「こら、悟」
夏油くんが五条くんの肩を叩いて、彼の悪態をとめた。
家「私はせんせーの事好きだけどね。女友達って感じで」
『もー家入ちゃんはいい子だねぇ。頭撫でちゃう』
そう言って、素直で可愛い生徒の頭を撫でれば彼女は撫で受けてくれた。
家「だって。約束。しんだら解剖させてくれるんだもんね」
『え、それ目的だったか』
まだまだ個性的な生徒達のことは掴めず、彼女の言葉に苦笑いが浮かんでくる。
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作者名:あまね | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/easye1/
作成日時:2023年9月9日 21時