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『皆おは〜。あれ、五条くんいないね』
今日は座学の日。1年の教室に着けば、
もうすぐ授業の時間だと言うのに、彼の姿はなかった。
家「サボりじゃない?」
夏「部屋まで呼びに行ったけれど、出てこなかったのだよね」
『そっか。どうしたのかな』
夏「理由は教えてくれませんでした。もう一回私が呼びに行ってきましょうか?」
夏油くんがそう名乗り出て立ち上がろうとしたところを
私は止めた。
『大丈夫だよ、ありがとう。本人の考えもあって休んでいるんだろうし。後で私が様子を見てくるよ』
私の言葉に納得してくれたようで、夏油くんは頷いた。
彼について心配な気持ちはあるが、今は授業に集中だ。
『じゃあ、授業を始めるよ。お願いしまーす』
と言えば、2人は律儀に お願いします と返してくれた
『五条くん居る?』
授業が終わり、夏油くんは共に行く予定だった五条くんの代わりに 別の術士の同行を立て、任務へ。
家入ちゃんも彼女の用事に出かけていった。
私は五条くんの寮部屋を尋ねたのだ。
居る? なんて呼びかけをするも それは建前。
部屋の中から彼の呪力を感じる。絶対いる。
控えめにドアをノックしてみる。このまま無視するつもりなのか、と不満に思った時、突然部屋のドアが開いた。
五「なに」
部屋にいた彼は、気だるげに言い放った。
ラフな格好で、頭はボサボサ。
ほのかに顔が赤いような気がする。
『理由もなしに休むから心配になってね。お部屋訪問〜なんて。大丈夫?体調悪いの』
そう問いかけるも、彼はぼーっとしていて反応が遅れた。
『体調悪いなら夏油くんとか家入ちゃんに言えばよかったのに』
五「 厄介だし」
そう零す彼の声は弱々しいものだった。
『厄介?』
五「…まだ話あんなら中入って。立ってんのしんどい」
そう言い彼は私を中に通してくれた。とりあえず彼の言う通りにお邪魔させてもらうことにする。
中に入れば彼はベッドに腰を下ろす。
『体調悪い時にごめんね。寝てな寝てな』
そう私が言えばベッドに横になってくれた。
ちょっと触るよ と一声かけて彼の額に手を当ててみれば、自分の体温よりもとても熱い。
私はポケットからハンカチを出し、それを水で濡らせば彼の額に置いた。いきなりの冷たさに驚きながらも、慣れれば彼は心地よさそうに目をつぶった。
五「なぁ、」
いきなり彼から声をかけられ、
私が反応を示せば話が続いた。
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作者名:あまね | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/easye1/
作成日時:2023年9月9日 21時