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ファミレスにつき、席に座ってメニュー表を見ると、
五条くんがはしゃいだように声を上げた。
五「すっげ、何これ」
『なになに、どうしたの?』
五条くんが指さすメニュー表に乗っていたのはケチャップライスに、唐揚げ、ミニハンバーグ、たこさんウィンナーなどなど。そしてプリンまで。
全て区切られたワンプレートに乗せられたメニュー。
お山の形に盛られたケチャップライスに可愛らしい小さな旗が刺さっている。
確かに美味しそうではあるが。
お子様ランチ の字には目もくれず、メニュー表の写真に釘付けになった五条くんは、キラキラとした期待の眼差しをしている。
五「ファミレスすげー」
家「ッ、五条それがいいの?」
夏「それにするかい?悟」
2人は笑いをこらえて五条くんに話しかける。
頷く彼に、2人は笑い転げる寸前の笑いを耐え、顔を背けて肩がガクガクと上下している。
つられて私も笑ってしまいそうになるところを耐え、
メニューに目線を落とした。
家「五条〜、ほらこっち向いて」
夏「悟、こっちだよこっち」
五「オマエらうるせぇ!!」
店員に運ばれてきたお子様ランチを目の前にした彼の
ほのかに無邪気な様子。
その瞬間をケータイのカメラで捉えた家入ちゃんはご機嫌でその後もパシャパシャと写真を撮る。
夏油くんも協力し、あからさまに五条くんの興味を引く。
家「ねー見てせんせ。これ」
家入ちゃんが笑いながら見せてくれたケータイの画面には一番最初に撮った、嬉しそうな様子の五条くんが映っている。
『えー可愛いー』
無邪気な子供みたいな表情に、
自然と母性本能がくすぐられてしまった。
家「せんせーに送ってあげるね」
『任務用のケータイに送られると私怒られちゃうから、プライベートの方にお願いねぇ』
家「はーい」
五「おい!勝手に!」
五条くんの止める手も間に合わず、
ふたつのうちの片方の私のケータイに通知音がなる。
『貰っちゃった〜』
ケータイを確認すればさっきの写真に加え、
他にも別パターンのものが送られてきた。
夏「硝子、私にも」
家「はーい」
五「おいって!オマエら」
なんでこんなに弄られているのかも分からないまま、彼は揶揄われ続け。なんか少し可愛そうなってきた頃。
五条くんは不貞腐れながらも、
お子様ランチを満足そうに平らげた。
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作者名:あまね | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/easye1/
作成日時:2023年9月9日 21時