続 ページ11
続
4人で固まったまま、廃屋の中へ入る。
中は長い間放置されたのか劣化して酷い有様だ。
このジメッとした雰囲気、呪いが溜まるのも納得。
中にいた呪霊に共通はない。様々な成り行きから発生した個体の群れであった。
低級がほとんどで、祓いながら先へ進んでいく。
任務で呪霊を初めて祓う家入ちゃんだったが、期待に応えるように私が教えたものを発揮して、彼女は見事呪霊を祓うことが出来た。
せんせー、出来たよ! と、
彼女が嬉しそうに声をかけてくれたのが印象的だ。
生徒が教えたことを元に成長するのを見るのは、
とても嬉しいものだね。
それはそうと、奥に行く度感じる呪力が強くなっていくことに気がついた
より近くなれば、五条くんや夏油くんもそれを感じとったのか、彼らが息を飲む様子を感じた。
すると突然、場面が切り替わったかのように空気の流れが変わった。ほんの一瞬の出来事だった。
気づけば周りには誰もいない。
やられた。
五条くんも夏油くんも、家入ちゃんの姿もない。
生得領域の中に入り込んだようだ。
さっきまでよりも廃屋の風景がより暗くなっている。
だが3人それぞれの呪力は感じ取れる。
遠くにバラけられたようでは無いみたい。
夏油くん、五条くんはそこそこ力があるとして、
家入ちゃんが心配だ。
私は自分のポケットの中に忍ばせていた、小さな丸いものを手に取った。それは自分の呪力を込めて操作することで、爆弾としての役割を発揮する呪具だ。
それを家入ちゃんの呪力を感じる壁の方に投げ、じっと集中して呪力で破壊力を調整する。
大きな爆発音とともに壁が敗れ、
そこへ移動すれば家入ちゃんの姿があった。
家「あ、せんせー遅いよ」
『ごめんね、ちょっとだけ離れちゃったね』
怖がってたりするかな、なんて少し思ったが彼女はそんな様子はなく、ちょっとした段差に腰を下ろして大人しくしていた。
私の姿を確認すれば、彼女は私の側まで寄ってきた。
見たところ怪我も無さそうだし、オールオッケー。
そう楽観的に考えさせてもらうことにする。
『最強ペアくん達とも早く合流しないとね。その前に、先に呪霊祓ってからの方がいいかな。こっち向かってきてるし』
強い呪力が近づいてくる感覚を捉え、方向を見定める。
断定出来れば家入ちゃんを背中に隠すように誘導した。
すると、予測していた丁度の場所から壁を破って呪霊が現れ、私たちに向かってきた。
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作者名:あまね | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/easye1/
作成日時:2023年9月9日 21時