女の子ですが！ (ページ7)

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『最近優斗忙しいのに。無理してない？』

優「…ただでさえ俺だけ遅れてんのに、って思うとね。無理はしてないけど」

『あは、その気持ち分かるからなぁ。私も』

「休んだら～とか言える立場じゃないな」とか「あのときの涼ちゃんこんな感じだったんだ…」とかバツ悪そうにぶつぶつ呟きながら荷物を置きにいったAちゃん。

……意外だ、さっきも世話焼きを発揮してたし、休め！とか言いそうなのに。

まぁ、Aちゃんは小学生のころから今の俺よりもこんな練習を重ねてきてるんだからこんなのきっと当たり前。やっぱ俺も頑張らなきゃなってことが、頭をよぎった。

けどそれは、いつの間にかローラーの準備まで終えていたAちゃんのでもさ、って声でかき消される。

その顔は、どっか得意気。

『今の優斗には頼れる4人とか…私も、いるじゃん』

疲れたときは疲れたって言っていいよ。
にーって笑ったAちゃんの手が俺の髪をくしゃくしゃになりそうなくらいに撫でる。

…普段は頭撫でるくらいのスキンシップすらそんなにしないのに、珍しい。

優「A～～～…」

『うわ』

それを黙ってされるがままどころか、

Aちゃんが手を伸ばしてるのが愛おしくて抱きついちゃう俺、余裕ないのかもしれない。いやないな、分かってるよ。

『優斗～、ハグは許してないけど』

優「…いいじゃんちょっとだけ。10分」

『有料です』

優「払います…いくらですか…」

『……んー。ふふ、今日の頑張り次第』

優「やってやる任せろ」

『あ。無理はせずね』

お疲れ、って背中や頭を撫でる手がずっと優しくて、ちょっとすり減っていた心にスッと入っていく感覚が心地良い。けど、キッカリ10分間。

優「Aちゃん！やろう！」

『ん！』

しっかり充電されて癒やされた自分に単純だなぁとは思いながらも。

よーし、今日も頑張るぞー！

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