女の子ですが ！

NO.2 ページ46

＞ ryuto




作「…うぇ？」




思わずあほみたいな声が出る。…いやいつもそうとか言わないでぇ、ってそうじゃなくて。そりゃ、誰でもこうなるよね。

だって今日は映画関係の個人仕事なのに、俺よりも先にAちゃんがいるんだから。




『さくま！よっ……なんてね、』

作「いやいやいや、なんでいるの…！？」

『んー、昨日顔見知りのスタッフさんが教えてくれたの、今日さくま撮影入るって』




話を聞くに、どうやら今日Aちゃんはちょうどここの上のスタジオで撮影らしく…なんたる偶然。

…しかも、俺の、




作「…誕生日、」

『ん！それもある。直接言いたいなと思ってきちゃった』




たださくまに会いたかったのもあるけどね〜、なんて言うものだから胸がいっぱいになってしまう。ずるい。

そんな俺を知ってか知らずか、くつろいでるソファにおいでおいでって。




『誕生日おめでとう、さくま』

作「…ん、ありがとう」

『んーと、プレゼントなにがほしい？』

作「いま聞くんだ…！？」

『ふふ。嘘だよ』




お茶目な嘘と、じゃじゃーんなんて効果音と一緒にでてきたのは紙袋。




作「わーい、ありがとう……開けても、」

『だめです。私もう行くからそのあとね？』

作「ウワァ開けたいけど行ってほしくない」

『ええ、なにかわいいこと言ってんの』

作「Aちゃ〜〜ん、」

『はいくっつかないで〜』




両手を広げるも虚しく、すり抜けていくAちゃん。

…いや、分かってるけど！俺の誕生日でもいつも通りで安心！そんなとこが好きだし！
なんて言い聞かせた瞬間。




作「わ、」

『…じゃあもう行くよ。さくまも撮影がんばって』




ぽす、と一回頭の上をAちゃんの手が往復して、気付いたときには楽屋の扉は閉まっていた。

…19歳の俺でも、まだまだAちゃんには敵わないようです。


──

はしみずさんお誕生日おめでとうございました…今月中にはあげたい


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