女の子ですが！ (ページ16)

今日:4 hit、昨日:2 hit、合計:73,248 hit

派手髪野郎ページ16

＞ ryo

『…金髪野郎』

うしろでボソッと呟く声が聞こえて振り返ろうとするも、髪を撫でられる感覚。

声と手つき的に分かるけど一応「A？」って聞くと、んー、って曖昧な声が返ってくる。

涼「…なーに。どうしたの」

『別に～結局金髪にしたんだなって』

涼「ふは。今更？」

『ファンの子たちみんな金髪好きだもんね』

涼「まぁね、俺もちょうど染めたいと思ってたし」

『…髪染めすぎると傷むよ』

涼「…？」

微妙にかみ合わない会話、少し違和感。

ついに髪を弄り始めた腕をとって、今度こそしっかり振り返ると、そこにはむすーって、いかにも不満ですみたいな顔をしたAが俺を見下ろしてた。

涼「…もしかして、金髪似合ってない？」

『なわけ』

涼「じゃあどうしたのその顔」

『別に』

涼「あ。Aは赤髪が好きだった？」

『んーん』

どれも即答。
最後に関してはちょっと傷ついたけど、金髪が似合ってないわけでもなく、赤髪派だったわけでもないなら…

『わたしは暗めの色のほうが好き』

俺が考えてるうちに髪弄りに飽きたのか、隣に座ったA。今度は俺が少しだけ見下ろす番。

…サラッと悩みの答えも言ったけど、暗めが好きなんて、初耳。

涼「まじ？暗め？」

『ん！茶髪が良い』

涼「あ～、じゃあ次はそうしようかな」

『次は舞台だから黒にするって言ってなかった？』

涼「あ、そうだった」

なんだ、仕方ないことだけど期待に応えられないとは…、なんて何気に落ち込んでると、目の前にはすっかりニコニコのかわいいA。

『まぁ、赤でも金でも黒でも涼ちゃんはかっこいいよ』

んふふって笑って、ぽすぽす、頭の上で手を跳ねさせる。

…ずりぃ～～～！って思ってとりあえず抱き締めておいた。逃げられた。

.