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「これ、あげる」
そう言って澪奈がさくらに渡したのは、青いラッピング袋。受け取ったさくらは、中身を取り出して、嬉しそうにそれを眺める。てんとう虫のアップリケが付いた、青いハンカチ。
「それ、私の大切な友達が好きなキャラクターなんだ」
「……Aじゃなくて？」
「私じゃないよ、ね？」
「ふふ、うん」
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そんなことも、あったな。こんな状況にも関わらず、私はぼんやりと思い返す。
「私です……私です！！」
しかし隣から聞こえてきた発言に、私は我に返る。皆がさくらを見た。もちろん、私も。
「…さくら？」
「……私がやりました」
「お前があの投稿を送ったのか」
さくらは肯定する。でもそれは絶対に嘘だと思った。香帆を庇ってるんだって。だって、さくらが握り締めているハンカチは──
「"景山死ね"、"あいつが苦しむ姿を見ると興奮する"……」
先生は次々と、投稿の内容を読み上げていく。
「私だって言ってるんだからもういいでしょ！」
さくらが訴える。でも、さくら。先生はやり逃げXが誰なのか知ってるんだよ。
「じゃあ、パスワードは？SNSに登録したパスワードだよ。それがなきゃアクセスできない。本当にお前が投稿者本人だって言うなら、パスワード、知ってるはずだろ」
「それは……」
「バッカみたい」
さくらが言い淀んだとき、香帆が冷めた声で言った。
「なんでそんな嘘吐くの？皆を助けるため？だから自分が犠牲になるって？……ハハハッ……笑わせんなよ」
香帆は先生の前まで歩み出て、口を開く。
「私だよ。私がやり逃げXでーす。パスワードは"KAHO11815"」
先生がパスワードを入力する。そしてそのスマホの画面を見せた。
「ピンポーン！アクセス成功だ！よかったなあ、今日、君達の中から死人は出ない！」
先生の拍手の音が、酷く場違いだった。皆が睨むように香帆を見た。
「やっぱりあんただったんだ」
「嘘でしょ…？」
「そんなわけないよ……」
唯月の責めるような言葉の後に、華と未来が戸惑いの声を溢す。
「ったく…アンタがでしゃばった真似しなければ皆に死ぬまで気づかれなかったのに！」
「…どうして、」
「どうして？アンタのせいでしょ…澪奈の友達は私と、…Aだけだった…。なのにアンタが！！」
ふと、思い出す。そういえば、澪奈が香帆の誘いを断って、さくらを優先したことがあった気がする。
「あの瞬間、私の中で何かが崩れた…」
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ここここ - 私もサ読み君が大好きなので、読んでいて思わず笑みがこぼれそうです (2019年2月11日 20時) (
レス) id: a0edfdd1ef (このIDを非表示/違反報告)
ほたる(プロフ) - 胎児????さん» コメントありがとうございます^^そんな風に言って頂ける程の文ではありませんが、大変嬉しいです…！最近客観的に自分の作品を見るということが難しかったので、他の方にそう言って頂けるのはとても励みになります！これからの展開もぜひ見守って頂けたらなと思います。 (2019年2月9日 17時) (レス) id: d2c549795f (このIDを非表示/違反報告)
胎児????(プロフ) - コメント失礼します。本当はコメントは控えよう！と思って見ていたのですがあまりの素晴らしさにコメントを書かずにはいられませんでした。お話の進め方や書き方がとてもお上手で読みやすいです。これから里見くんとの関係がどう変化していくのかとても楽しみです。 (2019年2月8日 19時) (レス) id: 8684af6c84 (このIDを非表示/違反報告)
ほたる(プロフ) - ソラさん» コメントありがとうございます^^次のお話でもっと里見くんとの関係を掘り下げていく予定なので、お楽しみ頂けたら幸いです…！ (2019年2月8日 19時) (レス) id: d2c549795f (このIDを非表示/違反報告)
ソラ(プロフ) - 里見くんとの和解というか、優しい展開になっていくのをゆっくり見守りたいです。かっこいい。 (2019年2月8日 5時) (レス) id: 06b27bfe9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほたる | 作成日時：2019年1月27日 22時
