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「…それ聞いて、どうするの？」
唯月は何も言わない。それが逆に、早く言えと急かされているみたいだった。
「……澪奈は私の、恩人なの。辛いときいつも傍にいてくれたから、だから私もそうしてるの」
「…なにそれ、バカみたい。結局、澪奈は死んだじゃん。あんたが澪奈の傍にいたって、意味なかったんじゃないの？」
鼻で笑う唯月。"私がいたところで意味なんてなかった"ずっと心のどこかで思っていたことを言い当てられたような気がして、胸がずきりと傷んだ。
「──ほんと、そうだよね」
「は？」
「私は結局、何もできなかった。あの動画だって投稿だって知らなかったし、唯月達が澪奈にしてることだって止められなかった」
「だからさ…そういうとこだよ、」
うんざりしたように、唯月が小さく呟いた。
「そういうとこがホントにムカつく。澪奈、澪奈、澪奈ってさ…なんであの子中心に世界が回ってるわけ？あんたがそうだから、こっちだって澪奈を無視するのやめなかったんだよ」
「…は？なにそれ」
「"澪奈のこと無視するのやめて"、"いじめるのやめて"、"いい加減にして"って、そればっかり。ほんとイライラする。だからやめてやらなかった」
私は何も、言えなかった。だってそんなの、私のせいで澪奈へのいじめがヒートアップしたようなもの。
「…本気で言ってるの？」
「嘘だと思う？」
「──どこまで知ってんの」
挑発するような態度に私が溜息を吐きそうになったとき、隣の男子トイレから声が聞こえた。
「誰が投稿したかなんて調べようと思えばできるはず。本当は知ってるんでしょ？」
香帆の声だ。
「皆の前で懺悔させようとしても無駄だから！あんな投稿バレたら、それこそ人生終わったも同然。今まで築き上げてきたものが全て崩れ去る！」
なにその、言い方。私は眉を寄せる。それじゃあまるで──
「随分やり逃げXに肩入れするんだな」
次いで聞こえてきた先生の声。そう、香帆の言葉は、やり逃げXを庇うような、擁護するようなものだった。
──やり逃げXの正体は、香帆？
「今の話聞いてたの？」
そこまで考え至ったとき、外で誰かに話し掛けるような香帆の姿がちらりと見えた。
「──聞いてたよ」
けど、それに答えたのは問い掛けられた人物じゃなく、唯月だった。トイレを出ると、さくらの姿があり、香帆が尋ねた相手はさくらだったことが分かる。
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5話放送前に書いたものですが唯月ちゃんの解釈一致してて勝手に嬉しくなってます
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ここここ - 私もサ読み君が大好きなので、読んでいて思わず笑みがこぼれそうです (2019年2月11日 20時) (
レス) id: a0edfdd1ef (このIDを非表示/違反報告)
ほたる(プロフ) - 胎児????さん» コメントありがとうございます^^そんな風に言って頂ける程の文ではありませんが、大変嬉しいです…！最近客観的に自分の作品を見るということが難しかったので、他の方にそう言って頂けるのはとても励みになります！これからの展開もぜひ見守って頂けたらなと思います。 (2019年2月9日 17時) (レス) id: d2c549795f (このIDを非表示/違反報告)
胎児????(プロフ) - コメント失礼します。本当はコメントは控えよう！と思って見ていたのですがあまりの素晴らしさにコメントを書かずにはいられませんでした。お話の進め方や書き方がとてもお上手で読みやすいです。これから里見くんとの関係がどう変化していくのかとても楽しみです。 (2019年2月8日 19時) (レス) id: 8684af6c84 (このIDを非表示/違反報告)
ほたる(プロフ) - ソラさん» コメントありがとうございます^^次のお話でもっと里見くんとの関係を掘り下げていく予定なので、お楽しみ頂けたら幸いです…！ (2019年2月8日 19時) (レス) id: d2c549795f (このIDを非表示/違反報告)
ソラ(プロフ) - 里見くんとの和解というか、優しい展開になっていくのをゆっくり見守りたいです。かっこいい。 (2019年2月8日 5時) (レス) id: 06b27bfe9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほたる | 作成日時：2019年1月27日 22時
