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「でもそれだって、遺体を別の場所に隠したり、バラバラにして…トイレに流したとかすればAが中尾を見てなくても辻褄が合うだろ」
「ねぇ、なんでそうネガティブに捉えるわけ？本当に生きてるかもしれないじゃん！」
「バカ……」
せっかく私がフォローしたのに、なんてこと言うの…。デリカシーのない石倉の発言に頭を押さえる。
「けど、生きてたとして、なんで殺したふりなんかすんの？」
「俺らに恐怖心を植え付けるためだろ」
「確かに殺しをやるような奴に刃向かえねぇもんな…」
「でも先生には爆弾がある」
「問題はそこ。リモコンさえ奪えれば逃げれんだけどな…」
「だったら俺が奪ってやる」
とんとん拍子で進んでいく話に嫌な予感がする。痛い目見なきゃいいけど。
でも、今はそれより。
"あの女の上履きをトイレの水に浸してやった"
"あの女を学校から自宅まで付け回した"
"あの女の水着を切り裂いてやった"
"あの女の部屋の窓を割ってやった"
黒板に貼られたプリントの文字を追う。あまりにも酷い仕打ち。最早いじめの域を超えている。先生の言う通り、やり逃げXの澪奈への執着心は凄まじいものだった。
澪奈がこんな目に遭っていたのに、私はどうして、気づかなかったんだろう。
気分が悪くなって、私はトイレに立った。
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騒がしい教室。まだ、クラス内の澪奈に対するいじめが始まる前の頃。
「──澪奈？」
「…え？」
「どうしたの、ぼうっとして」
「ううん、最近ちょっと部活がハードだからさ。疲れてるのかも」
「…そう？」
「ねぇA、こっち来て」
「ああ、うん。…澪奈、無理しないでね」
どこか疲れた表情で、でも笑顔だった澪奈に少しの違和感を感じながら、私はその場を離れたのを覚えている。
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今思えば、ふとした会話の中で引っ掛かりを感じることはあったはずなのに。本当に、自分が情けない。なんで気づいてあげられなかったのか、鏡の中の自分を睨みつける。
「何やってんの？」
「……唯月」
トイレの入口付近に寄りかかって不審そうに私を見る唯月。まぁ、こんなところで突っ立ってたらそうなるよね。
「別に、なんにも」
「あっそ」
ここで唯月と二人きりでいるのも気まずいと思って、トイレを出ようとすると、行く手を阻むように唯月が私の前に立った。
「なに？」
「あんたさ、なんであの時も今も、ずっと澪奈の味方でいるわけ」
そう問う唯月の瞳は、どこか揺れている気がした。
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ここここ - 私もサ読み君が大好きなので、読んでいて思わず笑みがこぼれそうです (2019年2月11日 20時) (
レス) id: a0edfdd1ef (このIDを非表示/違反報告)
ほたる(プロフ) - 胎児????さん» コメントありがとうございます^^そんな風に言って頂ける程の文ではありませんが、大変嬉しいです…！最近客観的に自分の作品を見るということが難しかったので、他の方にそう言って頂けるのはとても励みになります！これからの展開もぜひ見守って頂けたらなと思います。 (2019年2月9日 17時) (レス) id: d2c549795f (このIDを非表示/違反報告)
胎児????(プロフ) - コメント失礼します。本当はコメントは控えよう！と思って見ていたのですがあまりの素晴らしさにコメントを書かずにはいられませんでした。お話の進め方や書き方がとてもお上手で読みやすいです。これから里見くんとの関係がどう変化していくのかとても楽しみです。 (2019年2月8日 19時) (レス) id: 8684af6c84 (このIDを非表示/違反報告)
ほたる(プロフ) - ソラさん» コメントありがとうございます^^次のお話でもっと里見くんとの関係を掘り下げていく予定なので、お楽しみ頂けたら幸いです…！ (2019年2月8日 19時) (レス) id: d2c549795f (このIDを非表示/違反報告)
ソラ(プロフ) - 里見くんとの和解というか、優しい展開になっていくのをゆっくり見守りたいです。かっこいい。 (2019年2月8日 5時) (レス) id: 06b27bfe9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほたる | 作成日時：2019年1月27日 22時
