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教室に戻ると、もうほとんどの人が起きていて、ドアの音に反応して一斉に私を見た。居心地が悪くなりながらも、その視線やコソコソ話す声を無視する。少ししてさくらが戻ってくると、次いで先生もやって来た。
「はい、皆机後ろに寄せてー」
「は？なんでだよ」
「今から体操をしてもらう。やらなかったら…分かるな？…ほらほら、机！」
「いや、体操って…」
なんでこんなときに？そう思いながらも指示に従う。「笑顔でやれよー」そう言いながら先生がパソコンを開いて操作すると、大音量で流れる音楽。
やっぱりこれか…。病み上がりにあのダンスはかなりキツいんだけど。
「はいもっと笑って！嬉しそうに！楽しいことを思い浮かべて、大切なのは想像力だ！」
皆引き攣った笑みを浮かべながら踊る。私は笑顔なんて作れなかったけど。だってこの状況意味わかんなすぎでしょ。現実逃避したい気持ちを抑えながら、さっさと終われと念じる。
後ろの方で先生と甲斐が何か揉めていたけど、脅されたのか甲斐も投げやりに踊り出した。
「想像力だよ、想像力ー！」
想像力、ねぇ。
体操が終わると、先生はパンと牛乳を置いて出ていった。食欲はなかったけれど、一応それらを手に取って席に戻る。そのとき、誰かが音を立てて勢いよく立ち上がった気配がした。
「涼音…？」
私を通りすぎて、さくらの元に向かったのは涼音だった。覇気のない虚ろな表情の涼音は、さくらの持っていたパンを掴んで投げ捨てる。
「許さない…あんたが答えを外さなきゃ蓮は死なずに済んだ…あんたのせいで…！」
涼音が左手を振りかざして平手打ちしようとしたところを、周りの男子が止めに入った。
「あんたのせいだよ！あんたのせいで蓮は死んだの…ッ！！」
悲痛な叫び。ただの八つ当たりだ。中尾が死んだ喪失感。どうすることもできないそれを、怒りに変えてさくらを捌け口にしている。
でも、その気持ちはよく分かった。大切な人がいなくなったあの絶望感は、当人にしか分からない。
だけど、だからってそれを突然さくらにぶつけていいわけじゃない。
「大丈夫？」
「A…うん、私は、平気」
さくらに声を掛けると、暗い顔で頷いた。…どう見ても、平気そうには見えないけど。
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ここここ - 私もサ読み君が大好きなので、読んでいて思わず笑みがこぼれそうです (2019年2月11日 20時) (
レス) id: a0edfdd1ef (このIDを非表示/違反報告)
ほたる(プロフ) - 胎児????さん» コメントありがとうございます^^そんな風に言って頂ける程の文ではありませんが、大変嬉しいです…！最近客観的に自分の作品を見るということが難しかったので、他の方にそう言って頂けるのはとても励みになります！これからの展開もぜひ見守って頂けたらなと思います。 (2019年2月9日 17時) (レス) id: d2c549795f (このIDを非表示/違反報告)
胎児????(プロフ) - コメント失礼します。本当はコメントは控えよう！と思って見ていたのですがあまりの素晴らしさにコメントを書かずにはいられませんでした。お話の進め方や書き方がとてもお上手で読みやすいです。これから里見くんとの関係がどう変化していくのかとても楽しみです。 (2019年2月8日 19時) (レス) id: 8684af6c84 (このIDを非表示/違反報告)
ほたる(プロフ) - ソラさん» コメントありがとうございます^^次のお話でもっと里見くんとの関係を掘り下げていく予定なので、お楽しみ頂けたら幸いです…！ (2019年2月8日 19時) (レス) id: d2c549795f (このIDを非表示/違反報告)
ソラ(プロフ) - 里見くんとの和解というか、優しい展開になっていくのをゆっくり見守りたいです。かっこいい。 (2019年2月8日 5時) (レス) id: 06b27bfe9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほたる | 作成日時：2019年1月27日 22時
